2014年11月18日
師の言葉
「私は人間と人間との関係の中で、一番好きなのは師弟の関係である」これは作家・井上靖氏の言葉です。氏の遺作『孔子』に、印象深い場面があります。
北の夜空を仰ぎ、孔子が考えている。「北辰、その所に居て、衆星、……」(北極星が、居るべき場所に居れば、他のもろもろの星は……)。しかし、その後に続く言葉が決まらない。「囲む」「迎える」「捧げる」――弟子たちは口々に言ったが、師の考えは「廻る」でした。
「私には北極星を中心にして、他の星がその周囲を廻っているように思える」。師の言葉に弟子たちの胸は高鳴り、決意する。「廻るということは行動である。子の教えを、子の訓えを、中原のすみずみにまで行き亘らせねばならない」
北の夜空を仰ぎ、孔子が考えている。「北辰、その所に居て、衆星、……」(北極星が、居るべき場所に居れば、他のもろもろの星は……)。しかし、その後に続く言葉が決まらない。「囲む」「迎える」「捧げる」――弟子たちは口々に言ったが、師の考えは「廻る」でした。
「私には北極星を中心にして、他の星がその周囲を廻っているように思える」。師の言葉に弟子たちの胸は高鳴り、決意する。「廻るということは行動である。子の教えを、子の訓えを、中原のすみずみにまで行き亘らせねばならない」