2013年07月11日

2050年の日本社会

 20世紀末、ロンドン大学名誉教授の故・森嶋通夫氏は、およそ50年後の2050年の日本社会について大変な危惧を示していました(『なぜ日本は没落するか』岩波書店)。
 その解決策として氏の視線は青年に注がれていました。社会は「人間が土台」と氏は強調しています。さらに、将来の政官財界のリーダーも、“今の青年”から誕生する。「彼らが50年後にどんな人間になっているか」で、社会は大きく変化する。だからこそ、学校や社会での教育を含めた青年の育成が、今後の行く末を決めることを、氏は指摘していました。  

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2013年07月10日

大人と子ども

 「大人と子どもの能力の違いとは?」。この問いに、臨床心理士の網谷由香利さんは、このように答えています。「大人は言葉中心で意思疎通するが、子どもは言葉よりも感覚を 重視する」。そして「時には大人以上に本質を鋭く理解する」と。
 自分の思いを、すらすらと正確に言葉で表現できる子どもは少ない。しかし、表現できないからといって「分かっていない」わけではないのです。時と場合によっては、子どもは大人以上に鋭敏なのです。
 子どもの秘めた力を信じられるかどうかで、親子関係は随分と変わる事でしょう。信じればこそ、できることは子どもに任せ、自主性を伸ばすことができます。信じられないと、子どもの行動に過度に干渉し、伸びる芽を摘むことにもなりかねません。
 「夜回り先生」こと水谷修さんが、今も大切にする言葉。「ちゃんと前を向いて頑張れる子だと信じています」。これは水谷修さんが荒れていた自身の思春期時代、学校に呼び出された母が、教員に言った言葉です。何があっても子どもの力を信じ抜く。その母の姿勢が、大きな励みになったと語っています。  

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2013年07月09日

本居宣長

 江戸時代の国学者・本居宣長は、庶民の心に”学ぶ喜び”を目覚めさせる人でした。医師をなりわいとする傍ら、源氏物語の講義も頻繁に行ったそうです。そこには、学問とは無縁の農民や町民たちも、喜々として集りました。
 彼には、学問とは「物知りになる道」ではなく「自分の可能性を開く道」であるとの信念があった。それゆえ、「おこたらずして、はげみつとむるぞ肝要」と、仕事の合間を縫っては研さんに励み、門人への講義も晩年まで続けた(小林秀雄著『本居宣長』)  

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2013年07月08日

感謝

 東京・町田出身の青年詩人、八木重吉の言葉です。「感謝の無い信仰は本当の信仰ではない」「すべてはそこから出づる。感謝と報恩と」「自分のまわりを、感謝の海とせよ。感謝は強い。感謝は美しい」(全集第3巻、筑摩書房)。わが生命を感謝の心で染め抜きたいものです。
 「仏教をならはん者父母・師匠・国恩をわするべしや」(創価学会版・日蓮大聖人御書293ページ)。人間の真の生き方が、ここにあります。  

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2013年07月07日

暑さを表す言葉

 暑さを表す言葉は沢山あります。代表的なのは猛暑。酷暑・極暑も類義で、手紙などに激暑、厳暑と書くこともあります。炎暑ならジリジリ照りつける感が強く、溽暑は湿度の高 い不快な暑さを指します。きょうは、どの「暑」で呼ぶのがふさわしいでしょうか
 暑い日が続くと心配なのが熱中症です。暑さを避け、水分・塩分をこまめに摂取する ことが予防の第一です。また、暑いところへ行くと分かっている時は、出掛ける前から水分を取ることが望ましいと云われています。軽い脱水症状の時は、のどの渇きを感じないというから 十分に注意が必要です。  

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2013年07月06日

手書き

 作家・向田邦子さんの字は、個性がありすぎることで有名でした。「後から読めないので日記はつけない」と、本人が言うほどの字は、業界人泣かせだったそうです。その為、原稿が業者を介して台本になると、例えば、「手紙」が「牛乳」に変わっていた事もあったそうです。
 向田さんの直筆原稿を見ると、一気に綴ったと思われる筆致。一度ならず、何度となく書き直した箇所もあります。肉筆には作品に込めた深い思いがにじみ出ているようで、創作の苦労まで味わうことができます。
 現在は、手書きの文字に接する機会がめっきり減り、それどころか昨今はIT化が進んで、紙媒体そのものの危機さえ指摘されています。電子媒体は便利で大いに活用したいですが、脳科学の分野では「電子媒体」と「紙媒体」の違いについて、こんな見方もあります。 
 紙に書かれた文字に接すると、読者に“筆者はどれだけの思いを込め、何を伝えたいのか”との想像力が働きます。それが、自身の考えを、より効果的にまとめることを促します。さらには、こうした思考の訓練は、他人を思いやる感情を豊かにすることにも通じるという。手書きの文字なら、効果はなおさらに違いありません。  

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2013年07月05日

求められていること

 今春、就職した人も3カ月がたち、一息つくころですね。きっと、新人の緊張感をたたえ、全力で走り抜いた日々だったでしょう。真剣に取り組む大切さは言うまでもありませんが、健康にも留意してほしいものです。頑張るあまり無理をしていないか。上手に心身を調整するリズムをつくりたいものです。
 この時期、心を悩ますのが自分に与えられた仕事のことです。やりたい仕事ではない、向いていない、興味が湧かないなど、悶々とする人もいることでしょうう。他人の仕事を羨むこともあるかもしれません。そうした葛藤をどう乗り越えるか。職場の異動、転勤は希望通りにならないケースがほとんどです。むしろ不本意と思った場所で、その人の能力が開花したという例は多いのです。そう指摘するのは『対話力』(中公新書ラクレ)の著者で多摩大学教授の樋口裕一氏と久恒啓一氏。「自分のやりたいことよりは、求められていることをしたほうがいい」とも書いています。  

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2013年07月04日

うなぎ

 うなぎの価格が、今年も軒並み高騰しています。7月22日の土用の丑の日を前に、気になるところです。
 うなぎと言えば古典落語で「子別れ」があります。内容は、夫の酒癖が原因で、一人息子を連れて家を出た妻。紆余曲折の末、3年後、ひょんなことから親子3人がうなぎ屋で再会を果たしました。うれしさのあまり、好物のうなぎも口にせず泣き さけぶ息子。その様子を眺めながら、夫婦は〝子はかすがい〟と、一緒にやり直すことを誓っています。  

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2013年07月03日

 日本には約 40種類の蛍が生息しています。ほとんどの蛍は、成虫の段階で、口器が退化し、水を摂取する程度の機能しかないそうです。そのため蛍は、幼虫時代に蓄えた栄養で生き、成虫になってわず か1、2週間ほどで生涯を閉じるそうです。
 精いっぱい小さな命を輝かせて生きる蛍。人間の一生もまた、宇宙の壮大な営みから見れば、一瞬の出来事です。なればこそ、一 日一日を懸命に生き抜きたいものです。  

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2013年07月02日

宮本武蔵

 剣豪・宮本武蔵といえば“天才中の天才”のイメージが強いですよね。それは「60戦無敗」などの伝説のせいか、生まれつき才能に恵まれた超人のように思う人も多いかもしれません。
 しかし、作家の吉川英治氏は、そうは考えませんでした。「あの人(=武蔵)は、自分の凡質を知っているから、絶えまなく、研こうとしている。人に見えない苦しみをしている」と、小説『宮本武蔵』で登場人物に語らせています。「それが、何かの時、鏘然と光って出ると、人はすぐ天禀の才能だという。――勉めない人が自ら懶惰をなぐさめてそういうのですよ」(講談社)  

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2013年07月01日

人生の出発点

 7月1日は「童謡の日」だそうです。広く愛される「とんぼのめがね」の作詞者が町民だったことなどから、福島県・広野町は、「童謡の里」と親しまれています。トンネルの闇を抜けて、視野に入った野原の景観を歌った唱歌「汽車」の舞台も、同町との説があります。
 この里も、原発事故の影響が大きかったです。避難指示は解除されたものの、終わりの見えない苦闘が今も続いています。でも、確かなのは、過去を懐かしんでも、時計の針は戻せないことです。そして、時は1秒1分1日を着実に刻み、現在を過去へ、未来を現在へと塗り替えていきます。
 だからこそ、今この瞬間を、懸命に前を向いて進む中に、明日への希望が生まれると信じましょう。仏法は「現当二世」。常に、「今」「ここ」が人生の出発点なのですから。  

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