2012年12月27日
一闡提(いっせんだい)
仏教の涅槃経の成立は釈尊滅後700年ころといわれています。そこには「一闡提(いっせんだい)」と呼ばれる人々が登場します。一闡提は皆が成仏しても、最後まで成仏は不可能であるとされています。
一闡提とは梵語「イッチャンティカ」の音写です。名聞・利養を貪る者との意。名声におぼれ、私腹を肥やす。まさに「師子身中の虫」なのです。涅槃経は当時の教団が直面していた危機を物語っている、との見方もあります。
エゴイズムは誰にもあります。しかも、才能があればあるほど、その手口は巧妙となり、我欲が及ぼす被害も大きくなります。極悪人が怖い顔をしているとは限らない。だから見分けがたく、だまされやすいのです。一闡提の悪とは、カントが指摘した人間存在の基底に巣くう「根源悪」にも通じます。
一闡提とは梵語「イッチャンティカ」の音写です。名聞・利養を貪る者との意。名声におぼれ、私腹を肥やす。まさに「師子身中の虫」なのです。涅槃経は当時の教団が直面していた危機を物語っている、との見方もあります。
エゴイズムは誰にもあります。しかも、才能があればあるほど、その手口は巧妙となり、我欲が及ぼす被害も大きくなります。極悪人が怖い顔をしているとは限らない。だから見分けがたく、だまされやすいのです。一闡提の悪とは、カントが指摘した人間存在の基底に巣くう「根源悪」にも通じます。