2012年09月11日

フランスきっての日本通

 「フランスきっての日本通」と評される社会学者、ジャン=フランソワ・サブレ氏を知って見えますか。彼の著作には特徴があります。彼自身の言葉を借りれば、「相撲力士」も「有名政治家」も登場しない。「ぼくの英雄はマスコミに騒がれることはない」(『日本、ぼくが愛するその理由は』七つ森書館)と。
 彼は大衆食堂で食を共にし、差別された人たちとも、長く暮らしてきた。そこで、サブレさんは発見しました。マスメディアや人気の本には出てこない「英雄たち」を。それは、つつましく暮らす下町の人々、日雇い労働者、いわれなき差別に苦しむ人々です。彼らは逆境に負けず、励まし合い、時として立ち上がり、自らの権利のために闘う。その生き方こそ「ぼくにとって貴重なもの」と語っています。
 同じく、21年間日本に暮らしたフランス人社会活動家、アンドレ・レノレ氏も、「(日本社会から)見捨てられた部分」「底辺」にこそ希望があると言っています。困っている時は助け合い、道を切り開く、「庶民」という「闘士たち」こそ、希望と(『出る杭は打たれる』岩波現代文庫)  

Posted by mc1460 at 11:06Comments(524)TrackBack(0)つぶやき