2012年08月14日

プロの言葉

 一つの道を究めているプロの言葉には、深い味わいがあります。それは、その過程で幾度も困難な局面を乗り越えてきたからこそでしょう。
 あるレストランのシェフの言葉。「漫然と何回も味見をしていてもわからない。一発勝負。毎日がその繰り返し」。厨房ではいつも神経を研ぎ澄ませていたという。
 こちらは時計修理人。基本的な時計の知識を身に付けた上で、「それからは理屈はいらない。体で覚えていくことが大事」。自分で苦労したことしか、身に付かない。
 続いて、宝石デザイナーの言葉。「反復作業を集中してやれば、多くの物が身につきます」(須藤靖貴著『銀座のプロは世界一』日本経済新聞出版社)。一見、平凡な作業の繰り返しかもしれない。しかし、この地道な作業を通してこそ、確かな技術が身に付いてきます。
 一つの道を究める人に必要なのは、決して天分だけではないことが判ります。何よりも必要なのは、根気と粘り強い努力です。それは自分の中にある弱さとの闘争です。できない言い訳をするより、一歩でも前に進む努力を重ねたいものです。  

Posted by mc1460 at 11:25Comments(0)TrackBack(0)つぶやき