2011年12月10日

青年詩人

 多くの草花は、冬になれば花弁や葉、また、明るい色彩を失います。しかし、目に映る姿は、地味で味気ないかもしれないが、それは“永い冬”の間、滋養を蓄え、やがて美しい花を咲かせるため、懸命に耐えている姿なのです。

 「永い冬を耐えたわたしは/草のように甦える。/愉しげなひばりよ/どの畝からも歓喜に舞いあがれ」(「春」伊吹郷訳)。この詩の作者は戦争中、日本に留学した韓・朝鮮半島出身の尹東柱。日本の植民地支配に抵抗し、母国の文字ハングルで多くの作品を残した青年詩人です。
 これら数編の詩は、官憲の目を避けるため、土中に埋められました。その後、彼は治安維持法違反で逮捕され、1945年2月、27歳で獄死します。詩は、戦後になって日の目を見ました。不屈の魂は、不滅の共鳴を呼びます。彼の作品は現在、韓国や日本で広く読み継がれ、愛されています。

http://homepage2.nifty.com/taejeon/Dongju/dongju.htm  

Posted by mc1460 at 15:02Comments(0)TrackBack(0)つぶやき