2011年12月05日

一通の便りが・・・・・

 今年も年賀状を書く季節になりました。メール全盛時代とはいえ、年賀状は日本独自の伝統文化です。

 虚礼にするか実礼にするかは出す方の心根しだいです。相手の幸せを願う、感謝と思いやりの、手書きの「一行」があれば誠意は伝わります。小さな紙片に「大きな真心」を乗せて、新旧の友へ送りたいものです。

 日蓮大聖人は、弘安5年の正月7日、四条金吾をはじめとする人々に一通のお手紙を出されています。
    「春のはじめの御悦びは月のみつるがごとく・しをのさすがごとく・草のかこむが如く」
 弟子門下たちの新出発を祝う慈愛の心が脈打っています。“これほど励ましてくれる師がいる”。大聖人の真心に門下は、新年の決意を新たにしたに違いありません。

 時に、たった一通の便りが人の人生を変えることもあります。フランスの文豪ロマン・ロランの挿話です。無名の学生時代、トルストイに人生の悩みを訴える手紙を出しました。まだ若く、無名だったロマン・ロランに思いもよらず、大文豪から誠実な励ましの返信が届きました。歓喜した彼は、終生トルストイを人生最大の師と仰ぎ、数々の名作を著す文豪となりました。
  

Posted by mc1460 at 13:26Comments(0)TrackBack(0)つぶやき