2011年12月08日

旅する巨人

 大阪府の田尻町にある小学校。ここに日本を代表する民俗学者・宮本常一が、かつて教師として赴任していた学校があります。
 宮本常一は、第2次大戦前、戦中、そして戦後の高度経済成長期まで日本国中を歩き、調査を続けました。足で集めた膨大な調査データは、今も民衆史や民俗学研究には欠かせません。彼が生涯に旅した距離は延べ16万キロにのぼります。ゆえに彼は「旅する巨人」と呼ばれました。記録した写真だけで10万枚を数えます。なぜそれほどまでに歩いたのか。何を見、何を残そうとしたのでしょう。
 彼は言います。「一般大衆」は声を立てない。だからいつも見過ごされ見落とされる。しかし、耕地に、道に、あらゆるものに、そのつめ跡は刻みつけられている。それを書き残したい。そして、彼は日本の至るところに発見する。「むかしから戦争ぎらい」で、「生きぬく力をもち」「隣人を信じ」る「庶民」の姿を(「庶民の風土記を」から趣意)

 宮本常一データーベース http://www.towatown.jp/database/  

Posted by mc1460 at 14:32Comments(0)TrackBack(0)つぶやき