2017年05月04日

帰郷

 ドイツの詩人ヘルダーリンに「帰郷」という詩があります。「おお街の声 母の声!/声は私を捉え 久しい昔に学んだことをよみがえらす。/昔ながらの姿のまま 陽は照り喜びは萌え/愛する者たちの眼に かつてなく明るく映る」(川村二郎訳) 哲学者のハイデガーは、この詩に論考を加え、帰郷とは「根源に対して近くにいること」(『ヘルダーリンの詩作の解明』〓田恂子、イーリス・ブ■<小書きフ>ハイム訳)と考察しました。故郷は、生まれ育った地理的な場所である以上に、自身を形成した「魂の原点」ともいうべきものでしょう。  

Posted by mc1460 at 13:24Comments(0)TrackBack(0)つぶやき