2017年05月01日

母のたましい

 映画監督の新藤兼人さんは、10歳の時に母が縫ってくれた着物を生涯、大切にしました。この着物、もともとは子ども用の筒袖だったそうです。20歳近くになり、もう着る機会もないと処分しようとした時、袂が縫い込んであることを発見しました。
 その時、既に母は亡くなっていました。大人になっても着られるように、との心遣いを知り、新藤監督は衝撃を受けたそうです。「縫いこんであった袂のあたりには、母のたましいがしみこんでいる気がする」と(『蔵の中から』旺文社)  

Posted by mc1460 at 11:35Comments(0)TrackBack(0)つぶやき