2016年06月10日

切磋琢磨

 硬度の高いダイヤモンドは、原石同士で磨かれて人々を魅了する美しい輝きを放ちます。人間も、人間同士のかかわりを通して磨かれていくのです。
 『詩経』に切磋琢磨の故事があります。「切磋」は角や象牙を刀で切り、やすりで研ぐこと。「琢磨」は玉や石を槌で打ち、砂や石で磨きをかけることです。すなわち、学問をし、徳を修めるため、努力に努力を重ねることの意と捉えることができます。
また、友人同士で励まし合い、競い合って向上する意味にも使われます。
 又、『論語』(金谷治訳注)には「我れ三人行なえば必らず我が師を得」とあります。三人で行動したら、そこに自分の師を見つける。常に向上していこうとする心を持てば、皆が我が師であり、学び合うことができるのです。  

Posted by mc1460 at 11:35Comments(0)TrackBack(0)つぶやき

2016年06月09日

永久欠番

 米大リーグのニューヨーク・ヤンキースで、かのベーブ・ルースが3番打者の時代に、4番を張った強打者ルー・ゲーリッグ。彼の打撃成績以上に光を放つのは、2130試合連続出場という大記録です。
 ルー・ゲーリッグは勝っておごらず、負けてくじけずの精神力で、一試合一試合を積み重ねた偉業のさなか、彼は病を理由に引退しました。チームメートの“それでも、心はいつも共にある”との強い意思から、彼の背番号4は、世界最初の永久欠番となったのです。  

Posted by mc1460 at 13:29Comments(0)TrackBack(0)つぶやき

2016年06月08日

顔見知りになること

 地域の課題は何か、自分は何をすべきなのか――一人一人が「わが町」という当事者意識を持ち、行動する。その取り組みが、防災、教育など、さまざまな分野で花開くと思います。
 町づくりのもう一つのポイントは、「顔見知りになること」。どの町でも、全戸アンケートを行うときは、町内会の役員や住民が、一軒一軒、訪ねて回るのではないでしょうか。これは、アンケートの回収率を上げるためでもあのますが、最大のメリットは、そうすることで「顔見知り」となり、家族や健康などの話題を気軽に語り合えるようになることでもあるのです。  

Posted by mc1460 at 11:38Comments(0)TrackBack(0)つぶやき

2016年06月07日

アンケート

 東日本大震災で大きな被害を受けた漁業の町。復興した5年、10年後に中核となるのは、今の小・中学生の世代です。子どもたちを対象に「どんな町にしたいですか?」と、町がアンケートを行ったそうです。
 回答には、「ショッピングモールが欲しい」「ゲームセンターが欲しい」……正直な意見かもしれない。しかし、漁村として長い歴史のある町には、そぐわない印象もありました。
 この回答に大人たちは頭を抱えました。「テレビで見る大都市に親しみを覚え、地元にあまり触れる機会がないのかも」「自分たちの仕事(漁業)のこと、あまり話してこなかったな」と。現実の課題ですね。  

Posted by mc1460 at 11:36Comments(0)TrackBack(0)つぶやき

2016年06月06日

出会った人々を感化し続けた

 日本の主だった思想著作を収めた『日本思想大系』(岩波書店)は、全67巻におよびます。
 その第54巻が『吉田松陰』です。ひもとくと、他の思想家とは、その内容が一線を画していることに気付きます。大半は、松下村塾の塾生らに送った手紙(書簡)や日記などで、いわゆる論文の類いはごくわずかしかありません。
 その理由を、思想史家の藤田省三氏が巻末につづっています。「松陰には主著はなく、彼の短い生涯そのものが彼の唯一つの主著なのであった」。常に“実行第一”で、弟子を、出会った人々を感化し続けた、松陰の人生を物語っています。  

Posted by mc1460 at 11:21Comments(0)TrackBack(0)つぶやき

2016年06月05日

丁寧さ、心遣いが〝潤滑油〟

 物事を依頼したり、現状を説明したりする時、その背景やこれまでの経緯などに触れる丁寧さ、心遣いが〝潤滑油〟となり、結論だけを提示するよりも大きな共感を得られることは、誰もが体験している事でしょう。
 そうした〝分かってもらおう〟とする、こちらの努力を感じて、相手は頭で「理解」するだけでなく、心から「納得」してくれるものです。  

Posted by mc1460 at 13:33Comments(0)TrackBack(0)つぶやき

2016年06月04日

日本の田園風景

 「微笑みかけているような実り豊かな地」(時岡敬子訳)――これは、明治初期に来日した英国の紀行作家イザベラ・バードが感動した、日本の田園風景です。
 稲は、これから株が分かれて茎や葉が増え、穂も出始めます。花粉の形成も始まり、最も注意しなければいけないのが梅雨時の低温といわれています。冷害を防ぐため、田んぼの水を深く張って調節するなど、農家は気が抜けない毎日となってきます。
 営農の努力は、品種改良の分野でも続けられてきました。江戸時代には『会津農書』や『清良記』などの農書が各地で著され、早くも多数の品種名が出ています。(鵜飼保雄・大澤良編著『品種改良の日本史』悠書館)  

Posted by mc1460 at 11:42Comments(0)TrackBack(0)つぶやき

2016年06月03日

揺るがぬ決意と勇気の挑戦

 感動を綴った物語があります。それは、ルイス・セプルベダの『カモメに飛ぶことを教えた猫』(河野万里子訳)です。
 内容は、猫の前に舞い降りてきた瀕死のカモメ。自分が産む卵を孵し、育てて飛べるようにしてほしいと猫に託す。猫が仲間の動物たちと、生まれた子カモメに飛ぶことを教えるために奔走する話です。
 カモメが飛んだ時、親代わりの猫は語ります。「飛ぶことができるのは、心の底からそうしたいと願った者が、全力で挑戦したときだけだ」。飛び方を教えるのも、もちろん大切。だが本当に必要なのは、揺るがぬ決意と勇気の挑戦――それは、私たちの人生にもあてはまりますね。  

Posted by mc1460 at 12:00Comments(0)TrackBack(0)つぶやき

2016年06月02日

互いに利益を得る

 生活や商品サービスなどに、ゲームの要素を取り入れる“ゲーミフィケーション”が増えているようです。例えば「歩数競争」。歩数計の数をネットでつなぐと、全国の参加者との比較が可能になる。自ら想定した“ライバル”とゲーム感覚で競い、健康増進への励みにしていきます。
 この“ゲーミフィケーション”は、「一人では、継続するのがつらい領域」で応用しやすいといわれています。ダイエットや禁煙、勉強に加え、燃費を競うサイトもあります。“エコ運転”を競うことで、環境問題にもひと役買っていますね。
 競争にも2種類あります。誰かが勝って利益を得ると、誰かが負けて不利益を被り、全体では利益と不利益の総和がゼロになる「ゼロサム・ゲーム」。もう一つが、互いに利益を得る「互恵的」な競争。当世の“ゲーミフィケーション”は後者で、競争を目的のための手段として、うまく利用しているようです。  

Posted by mc1460 at 13:33Comments(0)TrackBack(0)つぶやき

2016年06月01日

世界記憶遺産

 ユネスコが登録する「遺産」には「世界遺産」「無形文化遺産」「世界記憶遺産」の3種類があります。このうち、文書や楽譜などの「世界記憶遺産」は268点。 「ベートーベンの交響曲第九番直筆楽譜」「アンネの日記」「マグナカルタ」などが並んでいます。
 このリストに日本の文献が登録されています。当初、「源氏物語絵巻」など が予想されましたが、選ばれたのは、九州の元炭鉱労働者で、炭鉱の仲間たちを描いた故・山本作兵衛さんの原画と日記でした。
 山本さんは幼いころから炭鉱で働いていました。暴力を受け、奴隷のように働かされる職場。ガス・炭塵爆発で死んでゆく仲間。しかし、日本を支えているという誇り。貧しいが助け合って生きる炭住(炭 鉱住宅)の生活。これらが生き生きと描かれる。その庶民群像が、海外で高く評価されたのです。  

Posted by mc1460 at 11:01Comments(0)TrackBack(0)つぶやき