2016年06月25日

何を学び、導き出すか

 梅雨ですから仕方がありませんが、うっとうしい雨が続きますね。しかし、大地を潤し、実りをもたらす雨は喜びの源でもあります。甘雨、慈雨、瑞雨……辞書には「喜雨」という言葉もあるように。
 レオナルド・ダビンチはこんな寓話を書いています。――水は海にいるうち、ふと大気へ昇りたくなった。火に誘われ水蒸気となって空高く昇り、薄く冷たい空気の間に到着する。だが、そこで火に見捨てられる。縮み上がって一塊になり、天から墜落する。乾燥した土に飲まれ、高慢にも天に昇りたいと思った己の罪を悔いた(『レオナルド・ダ・ヴィンチの手記』杉浦民平訳、岩波文庫)
 科学者であり哲学者であった天才ダビンチにかかると、雨は分析の対象にも、物語の題材にもなります。同じ現象や風景も、人によって見え方は異なり、何を学び、導き出すかは違ってくるのですね。  

Posted by mc1460 at 11:35Comments(0)TrackBack(0)つぶやき