2012年06月15日

父の日

 第2次大戦中、学童疎開をする娘に、父は自分あてのハガキをたくさん持たせました。そして一言「元気な日はマルを書いてよこしなさい」と。
 父の言いつけを守り、学童疎開をした娘の最初に届いたハガキは、威勢のいい大きなマルでした。しかし翌日からマルは小さくなり、ついにはバツになったそうです。そして、ハガキは来なくなりました。娘は病に倒れていたのです。迎えの母と帰宅するや、父は裸足で外に飛び出し、やせた娘を抱き締めたそうです。
 向田邦子さんが書いた、「無口な手紙」などのエッセーの中にある父と妹の話です。普段は無口でも、最後まで、家族を守り抜くという父の情愛を感じます。17日は父の日ですね。
  

Posted by mc1460 at 11:25Comments(0)TrackBack(0)つぶやき