2012年02月06日

扁鵲(へんじゃく)

 古代中国の扁鵲(へんじゃく)とは伝説の名医です。文献によると、彼は一個人ではなく、ある学派を指すとの説もあるらしいのですが、とにかく彼は(彼らは)広い知識を持ち、特に脈診が優れていたとされています。しかし、その扁鵲よりも、優れた医師がいたという。
 昔、魏の文侯が扁鵲に問うた。「君が兄弟三人あり、誰か最も善く医をなすや」と。扁鵲が答えた。長兄は、病気の兆候がないうちに病根を取り除く。故に、その名は家の外で知られることがない。次兄は、病気の兆候が、極めてわずかなうちに病を癒やす。故に、その名は知れても一地方を出ない。私なぞは、手術を施し薬を投じて派手に治療するので、その名は諸侯に及ぶと(巌本善治編『海舟座談』岩波文庫)
 兄たちの治療は、あまりに巧みすぎて、人々はその技量の高さに気づかない。それをちゃんと見抜いて、兄たちをたたえる扁鵲も、やはり優れた人だったのでしょう。

扁鵲(へんじゃく)
http://www.earth-bank.com/harikyu/hennzyaku.html
  

Posted by mc1460 at 13:25Comments(1)TrackBack(0)つぶやき