2012年02月04日

 雪のニュースが毎日報道されています。私の住む北名古屋でも今月2日に10センチほどの積雪がありました。雪道を歩くコツは歩幅を小さくして、上体を左右に揺さぶらないことだそうです。そして、手をポケットに入れないで、振りながら歩くことだそうです。“難事に取り組むコツも同じだ”と、ある哲学者は語っています。大事なのは、焦らずとも挫けず歩き続けることです。

 画家・東山魁夷氏の代表作は「道」です。しかし、氏の歩んだ道は平坦ではありませんでした。父の借財、戦争の苦しみ、両親、兄弟との死別……ある時は、西洋の巨匠の作品を見て圧倒され、自分の素質を疑い、絶望感にさいなまれた。友人が次々と画壇の人気作家になっていくことへの焦りも。そんな遍歴をたどった氏が描いた「道」とは、どんな道だったのでしょうか。
 それは、遠くにある丘の上の明るい空に向かって、ゆるやかに上り、右上がりに画面外へと続いていく道。氏は「私の心の中に、このひとすじの道を歩こうという意志的なものが育ってきて、この作品になったのではないだろうか」と(『泉に聴く』講談社文芸文庫)。“道は必ずどこかに通じる、否、通じるまで歩こう”。そんな強さが伝わってくるようです。
  

Posted by mc1460 at 11:31Comments(0)TrackBack(0)つぶやき