2018年12月21日

“鮮度”が落ちない理由

 わずかな紙幅に斬新なアイデアをちりばめ、たちまち迎える意外な結末――短編よりもさらに短い「ショートショート」といわれる形式で活躍した作家に星新一氏がいます。夢中でページをめくった方も多いことでしょう。
 多作で知られる氏は、目標だった「1001編」を達成した後年、自作の改訂作業に力を入れました。「ダイヤルを回す」は「電話をする」など、時代の経過とともに古びた表現には、徹底して手を加えました。これは、長く読み継がれるために、若い世代や新しい読者を意識し続けたという。今月、没後21年を迎えても、なお作品の“鮮度”が落ちない理由の一つがここにあるのです。  

Posted by mc1460 at 11:38Comments(22)TrackBack(0)つぶやき