2017年06月08日

水をそのまま飲める

 蛇口の水をそのまま飲める国は、世界でも数えるほどしかありません。
 世界に冠たる日本の水道も、明治期の創設時は困難を極めました。先頭に立ったのは、“近代水道の父”中島鋭治博士です。彼は仙台で生まれ育ち、大学卒業後、ドイツで衛生工学を学んでいた時、水道整備の命を受けたのです。
 当時、木製の管は腐り、コレラも流行していました。東京の近代水道は1892年に着工しましたが、日清戦争や市民の反対運動などの試練が続きました。だが、「死すとも仕事を捨てぬ」の信条のまま、6年がかりで給水場を建設し、鉄管敷設を成し遂げたのです。
 彼は技術者を育てながら、各地で水道整備に尽力したのです。晩年に手掛けたのが福島市でした。その精神は受け継がれ、発展を遂げた技術は世界を潤しています。  

Posted by mc1460 at 13:39Comments(1)TrackBack(0)つぶやき