2017年02月08日

ウルトラマン

 「ウルトラマン」をご存知ですか。光の国からやってきて地球を守る正義の味方は、瞬く間に子どもたちの心をつかみ、その後の兄弟シリーズも人気を博しました。「最も多く派生シリーズが誕生したテレビ番組」として、ギネス世界記録にも認定されています。
 ウルトラマンの生みの親・円谷英二監督は若いころ、ミスをきっかけに、予算も設備も調わない“格下”の映像制作に回されました。だが、そこで、少ない光量で撮影したネガを特殊現像で補正したり、粗末なセットを立派に見せるなど、数々の技術を編み出し、後の成功の基礎を築きました。
 “特撮はお金が掛かるのでは?”と問われた円谷監督はこう答えたそうです。「冗談いっちゃ困るね」「大体トリックというのは貧乏の生んだ知恵なんだ」(昭和41年9月「キネマ旬報」)と。恵まれた環境がなければ、よい成果が出せないとは限らない。与えられた条件の中で、知恵を絞り、創意工夫を重ねる中で、誰にもまねできないほどの作品さえ生み出せる。苦難の中で、不屈の自己は磨かれる――これは人生の真理です。
 ウルトラマンは、地球では3分しか戦えませんでした。その厳しい条件を課されながら、怪獣を倒しました。ここにも、名作となった理由があるのかもしれません。  

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2017年02月07日

90%以上に改善

 選ぶことのできる選択肢が多く、自由度が高まるほど、幸福感は増す。この「幸福」と「選択」の関係を論じた好著に、米コロンビア大学・アイエンガー教授の『選択の科学』(櫻井祐子訳、文芸春秋)があります。
 同書に、高齢者介護施設での心理学実験が紹介されています。ある階では、職員が選んだ鉢植えを入居者に配り、水やりも職員が行います。施設で見る映画の予定も職員が組みました。別の階では、入居者が好きな鉢植えを選び、水やりもしました。映画を見る曜日も、入居者自身で決めました。
 驚いたことに、3週間後の調査では「選択権なし」のグループの70%以上に健康状態の悪化が見られた一方、「選択権あり」のグループの90%以上に改善が見られたそうです。  

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2017年02月06日

新聞の起源

 新聞の起源は、一説には、紀元前5世紀ころのローマで、地方在勤者へ送られた手書きのニュースとされています。人がニュースを欲するのは、自分の生活に影響を与える事態を早く知り、対応するため。その意味で、“中央発”とともに、わが地域の動きを伝える“地方発”のニュースが、新聞の役割となってきたのです。  

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2017年02月05日

2人を引き合わせたのは

 障がいの三重苦に屈せず、福祉事業に尽くしたヘレン・ケラー。その可能性を開花させたのは教師アン・サリバンといわれるが、2人を引き合わせたのは、電話を発明したグラハム・ベルだったそうです。
 ベルは聴覚障がい者の教育に携わっていました。文明史を変えた電話の発明も“耳が聞こえない人々を、孤独から救いたい”との思いで始めた研究がきっかけだった(『孤独の克服 グラハム・ベルの生涯』NTT出版)。
 後にヘレンは、ベルとの出会いを「私を闇から光へ、孤独から友情、知識、愛の世界へ導いてくれる門戸」(岩橋武夫訳)と記しています。
 “真の贅沢とは、人間関係の贅沢だ”とサン=テグジュペリは書いていますが、人生で、孤独ほどつらいものはなく、人との出会いほどの宝はありません。  

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2017年02月04日

彼方ならどうしますか

 さて、彼方ならどうしますか。A君が、B君のオモチャを取り上げ、B君が泣きだした。どう解決するか。中国の名門大学の研究者一行が、札幌創価幼稚園を視察した際、教員に質問しました。
 まずA君を抱きしめて、B君に優しいまなざしを注ぎながら、「どうしてB君のオモチャを取ったの?」と聞きます――と教員は答えたそうです。
 オモチャを取ったのには、園児なりの理由があります。抱きしめて安心させ、じっくり話を聞くことで、頭が整理され、相手を思いやる心も芽生える。これは、池田SGI会長のエッセー集『21世紀の世界ビジョン――愛する北海天地から』(潮出版社)に紹介されていた話です。
 教員の説明に、研究者は「皆が幼少期にこういう教育を受ければ、世の中の大小の問題は必ず解決していけます」と。そして続けた。「世界平和へもつながる道ですね」と。  

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2017年02月03日

学校の理念

 ずいぶん前の映画ですので、ご存じない方も多いと思います。映画「人間革命」「続・人間革命」にも出演した女優の新珠三千代さんは、13歳の時、現在の宝塚音楽学校に合格するが、芸能界を知らない父は、入学に首を縦に振りませんでした。ならば一度、この目で見てみようと、親子で学校を訪れたそうです。
 校門で掃き掃除をする男性に、校長に面会したい旨を告げると応接間に通されました。しばらくして入ってきたのは、さっきの男性だった。「私が校長です」。その姿に、一度で学校の理念を理解したのでしょう。父は入学を快諾したそうです。(川本三郎著『君美わしく』文春文庫)  

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2017年02月02日

ひな人形

 2月24日から始まる千葉・勝浦市での「ビッグひな祭り」。市内に約3万体ものひな人形が飾られそうです。
 ひな人形を飾る風習は江戸時代初期から始まりました。鳥取などの各地には、流しびなの伝承もあります。人形には、子らの健やかな成長を願う祈りが込められているのです。  

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2017年02月01日

蛮勇と勇気は違う

 若くして世界五大陸の最高峰を制覇するなど、傑出した登山家、探検家として知られた故・植村直己氏。ある時、“探検家に必要な資質は?”と問われ、こう答えたそうです。「臆病者であること」。意外に思える言葉ですが、自然の怖さを熟知するゆえの謙虚さが伝わってきます。
 一方で、氏の自伝『青春を山に賭けて』を開くと、痛快な冒険譚にあふれています。100ドル余りしか持たずに単身でアメリカに渡ったり、船賃を惜しんでアマゾン川をいかだで下ろうとしたり……
 事を始める際、臆病なほど慎重に現実を見据え、可能とあらば大胆に挑む。「世界のウエムラ」と仰がれた人物の真髄を垣間見る。蛮勇と勇気は違う。氏は勇気を体得していたのです。  

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