2015年06月29日

人を知る

 「己を知る」ことは難しい。ましてや「人を知る」ことは容易ではありません。相手の個性を認め、良さを見いだしていく努力が必要になるからです。
 映画監督の山田洋次氏が、著書『「学校」が教えてくれたこと』(PHP研究所)で、養護学校を定年退職した校長の言葉を紹介していました。「教師は教室のゴミになれ」。きつい表現ですが、目立たず、じっと子どもを観察すれば、今まで見えなかった子どもの良さが分かるようになる、ということです。
 特に知的発達の遅れた子の場合、症状の現れ方は一人一人違います。“その子どもがどう悩み、何に怒り、何をすれば喜ぶのか。子どもから教えてもらう気持ちが大切”と、校長は言っています。
 「人が自分を知ってくれないことを気にかけないで、人を知らないことを気にかけることだ」(金谷治訳)と、『論語』にはあります。  

Posted by mc1460 at 11:08Comments(0)TrackBack(0)つぶやき