2015年06月08日
ジッドの芸術論
「偉大なる芸術家とは」。フランスの作家アンドレ・ジッドは言いました。「難渋することによって鼓舞され、あらゆる障害を踏切台に用いる人間」のことである、と。ジッドが、例として挙げた逸話が興味深いので紹介します。
ミケランジェロの代表作の一つ「モーセ像」の窮屈に座る姿は、「大理石が足りなかった」おかげで考え出されたという言い伝えである(『芸術論』河上徹太郎訳、第一書房。現代表記に改めた)。像は教皇の墓碑を飾るものとして依頼されたが、完成までの道は、墓碑計画の縮小、次の教皇による無理難題な別の仕事の押しつけなど、苦闘の連続でした。
障害こそが、芸術家の創造力を引き出すバネとなった――ジッドの芸術論には、人生万般に通じる真理が含まれています。
ミケランジェロの代表作の一つ「モーセ像」の窮屈に座る姿は、「大理石が足りなかった」おかげで考え出されたという言い伝えである(『芸術論』河上徹太郎訳、第一書房。現代表記に改めた)。像は教皇の墓碑を飾るものとして依頼されたが、完成までの道は、墓碑計画の縮小、次の教皇による無理難題な別の仕事の押しつけなど、苦闘の連続でした。
障害こそが、芸術家の創造力を引き出すバネとなった――ジッドの芸術論には、人生万般に通じる真理が含まれています。