2015年03月08日

恩を忘れず、恩に報いる

 1890年、オスマン帝国の使節団を乗せたエルトゥールル号が来日しました。帰国の途で台風に遭い、船は海に沈みました。多くの犠牲者を出す中、地元住民の必死の救助と献身的な処置で、69人の命が救われたのです。これが、日本とトルコの友好のきっかけともいわれています。
 この史実には続きがあります。1985年、イラン・イラク戦争のさなか、イラクが、2日後から、イラン上空の飛行機を無差別に撃墜するとの声明を発表。だが、日本はイラン在留邦人を救出する飛行機を準備できませんでした。ところが、制限時間目前に2機のトルコ航空機が飛来し、日本人を間一髪で脱出させたのです。
 後日、トルコの大使は語ったという。「トルコ人は皆、かつて日本に受けた恩を知っています。その恩返しです」と。国と国の関係は、利害のみによるのではありません。その根本には道義がある。国家関係とはつまるところ、人と人の関係の折り重なりであるからです。恩を忘れず、恩に報いることは、最も気高く、絆を固くする行動です。国家の関係であれ、人間関係であれ、そこに違いはないのです。  

Posted by mc1460 at 13:22Comments(0)TrackBack(0)つぶやき