2014年06月29日
自分がたまらなくはずかしくなった
アフリカ・ソマリアの難民キャンプで食糧の配給を待つ、やせこけた少年がいました。写真家の長倉洋海氏は劇的な写真になると思い、レンズを向けました。少年は浮き出たあばら骨を両腕で隠し、人波に隠れた。やせた自分の姿を恥じた少年は〝被写体〟ではない。自分と同じ人間なんだ、と長倉氏は気付いたそうです。
別の機会に、いかにも〝難民の少女〟らしい、やせ細った少女を撮ろうとした。ところがその時、少女はにっこりほほ笑んだ。長倉氏は「『難民らしい』写真を撮ろうとしていた私の意図は、その少女のほほえみにうちくだかれた。私は自分がたまらなくはずかしくなった」と(土方正志著『ユージン・スミス 楽園へのあゆみ』偕成社)
別の機会に、いかにも〝難民の少女〟らしい、やせ細った少女を撮ろうとした。ところがその時、少女はにっこりほほ笑んだ。長倉氏は「『難民らしい』写真を撮ろうとしていた私の意図は、その少女のほほえみにうちくだかれた。私は自分がたまらなくはずかしくなった」と(土方正志著『ユージン・スミス 楽園へのあゆみ』偕成社)