2014年05月10日

宗教的なもの

 19世紀前半のフランスには、「精神の空白」が広がっていました。その原因は、大革命後、理性中心の時代が到来。聖職者や宗教が否定された結果、若者は信じるものを失い、「世紀病」と呼ばれる鬱々とした風潮に包まれていったのです。
その中で、新たな価値観を求める思想運動が活発化しました。人間性の解放をうたった文豪ユゴーの活躍も、このころの事です。若きユゴーに多大な影響を及ぼした思想家ラムネは、人々を結ぶ精神的支柱として「宗教的なもの」の必要性を訴えた(宇野重規ほか編著『社会統合と宗教的なもの』白水社)
「宗教的なもの」は「宗教」とは違います。その定義の一つは、人間の内にある宗教性=根源的な力のこと。「善きもの、価値あるものを希求しゆく人間の能動的な生き方を鼓舞し、いわば、あと押しするような力用」と、創価学会の池田名誉会長は論じています。  

Posted by mc1460 at 11:30Comments(0)TrackBack(0)つぶやき