2013年10月11日
角度によって
正面から三角に見えるものが、真上からみると円形であったりします。物事は角度によって多彩に変化するのです。人も同様で、光の当て方一つで思いがけない才能、個性が浮き彫りになることがあります。
あの人はこんな人と決めつけるか。それとも、きっと素晴らしい力をもっているに違いないとの思いで接するか。おそらく後者の方が、相手も接する方も心がはずみ、いい結果を生むことでしょう。
あの人はこんな人と決めつけるか。それとも、きっと素晴らしい力をもっているに違いないとの思いで接するか。おそらく後者の方が、相手も接する方も心がはずみ、いい結果を生むことでしょう。
2013年10月10日
生きているということ
「生きているということ/いま生きているということ/それはのどがかわくということ/木もれ陽がまぶしいということ」(『うつむく青年』所収)。これは、みずみずしい光に溢れる谷川俊太郎氏の詩「生きる」です。
東日本大震災後、40年前に出版されたこの詩が再び注目されています。巨大地震、大津波、原発事故。壮絶な現実を前に「生きている」ことが当たり前ではないことを思い知らされました。生きるために支え合わなければならないことも教えられました。
東日本大震災後、40年前に出版されたこの詩が再び注目されています。巨大地震、大津波、原発事故。壮絶な現実を前に「生きている」ことが当たり前ではないことを思い知らされました。生きるために支え合わなければならないことも教えられました。
2013年10月09日
「土台」が必要
仏典の話です。昔、一人の富豪がいました。3階建ての立派な家を見て自分もほしくなりました。富豪は「同じような家を造ってほしい」と、大工に注文。大工は土地を測り、土台づくりから始めました。それを見た富豪は言ったそうです。「私がほしいのは下の部分ではない。上の部分だ。最上階から造れ!」と。
これを聞いた人は皆、「下の部分を造らずして、どうして上の部分が造れようか」と笑いました(百喩経)何事も「土台」が必要です。
これを聞いた人は皆、「下の部分を造らずして、どうして上の部分が造れようか」と笑いました(百喩経)何事も「土台」が必要です。
2013年10月08日
ヒバ
「十」と「八」を重ねて、10月8日は「木」の日だそうです。青森県の木はヒバです。秋田の杉、木曽の檜と並ぶ日本三大美林の一つと呼ばれています。”100年育って一人前”というヒバの若木は、風雪に耐え、じっくりと成長していきます。促成でなく、熟成ゆえに、木目は美しく、耐久性を持つそうです。
ヒバ http://www.fuchu.or.jp/~kagu/mokuzai/hiba.htm
ヒバ http://www.fuchu.or.jp/~kagu/mokuzai/hiba.htm
2013年10月07日
想像力は知識よりも重要
科学技術は、戦争の痛みから目をそらさせる役目も果たします。その洗礼を浴びているのは、戦争の報道統制が厳しくなった昨今、市民も同じことです。しかし、無残な殺戮という戦争の真実が変わったわけではありません。
「想像力は知識よりも重要です。知識には限界がありますが、想像力は世界を包み込む」とはアインシュタインの有名な言葉です。他者の痛みを理解することが「世界の変化」への一歩になるのです。
「想像力は知識よりも重要です。知識には限界がありますが、想像力は世界を包み込む」とはアインシュタインの有名な言葉です。他者の痛みを理解することが「世界の変化」への一歩になるのです。
2013年10月06日
減点法か加点法か
「100点満点の出来でした」などの言い方をよく耳にします。しかしこの発想、考えると「減点法」に基づいていることが判ります。60点の人は50点より出来がいい。これは分かります。だがもし、100点が5人いたら――彼らは、正当に評価されたとはいえません。100点以上をつけてもいい出来だったかもしれないからです。
日本人は「上限を設けて生活をしたがる」と指摘するのは、小惑星探査機「はやぶさ」計画を指揮した宇宙航空研究開発機構の川口淳一郎教授です。同教授は新しい試みに挑戦するなら、減点法より加点法を、すなわち”失敗を数えるより成功を数えよう”と訴える(『「はやぶさ」式思考法』飛鳥新社)
実際、はやぶさは、数多くの失敗を乗り越え、成功を勝ち取りました。例えば、4基のイオンエンジンが全て寿命を迎えてしまった際、まだ正常に働く部分をつなぎ合わせて一つのエンジンとし、危機を打開しました。月以外の天体から物質を持ち帰るという世界初の偉業の価値は、「減点法」では計れない「加点法」でこそ、その比類なき価値が分かるというものだったのです。
日本人は「上限を設けて生活をしたがる」と指摘するのは、小惑星探査機「はやぶさ」計画を指揮した宇宙航空研究開発機構の川口淳一郎教授です。同教授は新しい試みに挑戦するなら、減点法より加点法を、すなわち”失敗を数えるより成功を数えよう”と訴える(『「はやぶさ」式思考法』飛鳥新社)
実際、はやぶさは、数多くの失敗を乗り越え、成功を勝ち取りました。例えば、4基のイオンエンジンが全て寿命を迎えてしまった際、まだ正常に働く部分をつなぎ合わせて一つのエンジンとし、危機を打開しました。月以外の天体から物質を持ち帰るという世界初の偉業の価値は、「減点法」では計れない「加点法」でこそ、その比類なき価値が分かるというものだったのです。
2013年10月05日
見えない障害バッジ
今、社会福祉の分野で、「見えない障害バッジ」が反響を広げています。
これは、内臓の疾患や発達障がいなど、外見では分かりにくく、「怠けている」「わがまま」と非難されがちな、「目に見えない困難」のある人がつけるバッジです。もちろん、私たち社会の側に「何か事情があるのだろう」と、想像する力が必要であることは言うまでもありません。
見えない障害バッジ http://watashinofukushi.com/?page_id=1313
これは、内臓の疾患や発達障がいなど、外見では分かりにくく、「怠けている」「わがまま」と非難されがちな、「目に見えない困難」のある人がつけるバッジです。もちろん、私たち社会の側に「何か事情があるのだろう」と、想像する力が必要であることは言うまでもありません。
見えない障害バッジ http://watashinofukushi.com/?page_id=1313
2013年10月04日
情報摂取量
電車に乗ると、活字に目を落とす人が減り、携帯端末とにらめっこする人が増えました。米国のある調査によると、一人当たりの情報摂取量は50年前の3倍にもなるそうです。これは、情報のデジタル化のゆえですが、その結果、現れたのは「ありあまるほどの答えを持ちながら、優れた問いのほとんど出されない社会」との指摘があります(『減速思考』R・ワトソン著、北川知子 訳)
2013年10月03日
読書の秋
今、普及しつつある電子書籍。言語脳科学者の酒井邦嘉氏は、その利便性を評価しつつも、〝紙の本〟の魅力を強調しています。それは「一冊の個性」と。大きさ、質感、紙の匂い。視覚・触覚・嗅覚で深く味わい、じっくり読むことで、脳は「考える」ことを促される。その「思索の過程」を本に記すこともできる(『脳を創る読書』実業之日本社)
本の読み方も、いろいろあっていいでしょう。だが、全人格を傾けて一書と格闘する喜びは失いたくないものです。良書と取り組みましょう。読書の秋、到来です。
本の読み方も、いろいろあっていいでしょう。だが、全人格を傾けて一書と格闘する喜びは失いたくないものです。良書と取り組みましょう。読書の秋、到来です。
2013年10月02日
歴史の主役
新しい活力は「周縁」に生起します。停滞を打ち破るみずみずしい希望と力は、遠方から到来し、再び世界全体を生き生きとよみがえらせます。それが歴史の法則 といえそうです。
インドに釈尊が誕生し、仏教を弘めたのは、紀元前5世紀ころ。が、それも歴史の激浪にさらされ、紀元4世紀ころから衰退へと向かいました。舞台を移し、6世紀、仏教は中国・天台大師のもとで新たな展開を見せます。そして13世紀、日本に生まれた日蓮大聖人は、民衆仏法への確かな礎を築かれました。
大聖人は、自らを「遠国の者・民が子」(創価学会版・御書1332ページ)と宣言されています。中央の都の者ではなく“遠く離れた辺地に生まれた民の子”との仰せなのです。歴史の主役は“時”と“所”を変えつつ出現する、といえるのではないでしょうか。
インドに釈尊が誕生し、仏教を弘めたのは、紀元前5世紀ころ。が、それも歴史の激浪にさらされ、紀元4世紀ころから衰退へと向かいました。舞台を移し、6世紀、仏教は中国・天台大師のもとで新たな展開を見せます。そして13世紀、日本に生まれた日蓮大聖人は、民衆仏法への確かな礎を築かれました。
大聖人は、自らを「遠国の者・民が子」(創価学会版・御書1332ページ)と宣言されています。中央の都の者ではなく“遠く離れた辺地に生まれた民の子”との仰せなのです。歴史の主役は“時”と“所”を変えつつ出現する、といえるのではないでしょうか。
2013年10月01日
賢者のおくりもの
世の中には、目に見える宝と、見えない宝があります。その中で最も美しい宝は、やはり“人の心”でしょう。オー・ヘンリーの名作『賢者のおくりもの』(矢川澄子訳、冨山房)を読み、つくづくそう感じる事でしょう。
物語では、貧しい夫妻が贈り物を交換する。妻は自分の髪を売ったお金で、夫の懐中時計に付ける鎖を買う。ところが夫は懐中時計を手放し、妻のために櫛を買う。それぞれ役に立たない物になってしまったが、2人は幸福をかみしめる。相手を思う心が、互いの胸に届いたからでしょう。
賢者のおくりもの http://www.youtube.com/watch?v=AQoUfb0rMBg
物語では、貧しい夫妻が贈り物を交換する。妻は自分の髪を売ったお金で、夫の懐中時計に付ける鎖を買う。ところが夫は懐中時計を手放し、妻のために櫛を買う。それぞれ役に立たない物になってしまったが、2人は幸福をかみしめる。相手を思う心が、互いの胸に届いたからでしょう。
賢者のおくりもの http://www.youtube.com/watch?v=AQoUfb0rMBg