2018年06月15日

パラ言語

 「声を発する」という過程には喉と口だけでなく鼻や顎、さらに肺・気管など胴体の4分の3が携わっており、実は体のほとんどの部分と関連しているそうです。そのため、足首をくじいても声に影響するといわれています。体中の器官の驚異的な連携によって声は生まれているのです。人は“全身”でしゃべっているのです。
 加えて、声の高さや大きさ、速さによって伝わり方が変わります。このような発話に伴う言葉以外の特徴を「パラ言語」と呼ぶそうです。このパラ言語によって、言葉に“生命”が吹き込まれ、思いが相手に届くのです(アン・カープ著『「声」の秘密』草思社)  

Posted by mc1460 at 11:56Comments(3)TrackBack(0)つぶやき

2018年06月14日

そこに尽きるのです

 釈尊が初説法の地・鹿野苑へ向かう途中のこと。ウパカという修行者に出会い、対話が始まりました。
 “仏様”の言葉だからすぐに納得した――わけではなかったそうです。ウパカは「そうかもしれないね」と皮肉交じりに頭を振り、去ってしまったという。仏教学者の中村元氏は、仏でさえも「伝道に関してやはり失敗があったということは、興味ある事実」と(『中村元選集決定版第11巻』春秋社)
 鹿野苑に着いた釈尊は、かつての修行仲間5人のもとへ。数日がかりの対話の末、ついに最初の一人、コンダンニャが教えを理解しました。釈尊は感嘆の声を2度も上げました。「ああ、コンダンニャは悟ったのだ!」。やがて他の4人も続いた。なお、先述のウパカも後に釈尊に帰依したとされています。
 仏典が伝える釈尊の、なんと人間らしい姿か。「仏」だから、何か特別な力を持っているわけではないのです。正道を広めたいという誓いの強さ、友に幸福になってほしいという慈悲の深さ、心を通わせようとする誠実と忍耐。仏の「力」といっても、そこに尽きるのです。  

Posted by mc1460 at 13:24Comments(1)TrackBack(0)つぶやき

2018年06月13日

シアトル・フリーズ

 米国は“人種のるつぼ”といわれています。西海岸のシアトルにも多様なルーツを持つ人々が存在し、街は異なる価値観を受け入れる雰囲気にあふれています。
 シアトルの人々は友好的な一方で、親しい友人になりにくいという。それを表す言葉が「シアトル・フリーズ」。「フリーズ」は「凍結」「固まる」等の意味。自分とは違う他者の考えにも理解は示すが、自分の“本音”はなかなか語らない。心の奥を知ろうとする相手には、拒否反応を示す傾向があるそうです。  

Posted by mc1460 at 11:41Comments(0)TrackBack(0)つぶやき

2018年06月12日

植物の特性から、学べることがあります

 動物であれば、吹き付ける風や、暑さ寒さをしのごうと、移動することもできる。だが、大地に根を張る植物は、試練から自力では逃れられない。その分、環境に適応し、生き延びるために培った”知恵”があるのです。
 暑さに弱い植物は夏を、寒さに弱い植物は冬を、種子の形で乗り切り、温暖な秋や春に花を咲かせます。それには本格的な夏や冬が、いつなのかを事前に知る必要があります。その役割を果たすのは葉だそうです。毎晩、夜の長さを測る役割を担っているのです。
 今月21日は夏至で、夜の時間が最短となります。この日から夜が長くなるのを察知することで、植物は本格的な夏の到来を知るのです。反対に、冬至から、だんだんと短くなる夜を感じ、寒い冬に備えます。
 こうした植物の特性から、学べることがあります。苦難のない人生などない以上、それを受け止め、乗り越えるための知恵を磨くことです。  

Posted by mc1460 at 11:39Comments(1)TrackBack(0)つぶやき

2018年06月11日

五月雨

 例年より早く、各地で梅雨入りし、「五月雨」が降り続いています――こう書くと“もう6月なのに、なぜ五月雨?”と思われる方もいるかもしれませんね。
 五月雨は、旧暦5月に降る長雨のことです。今の6月に当たり、本来は梅雨を指すのです。「五月晴れ」も同じく、元は梅雨のさなかの晴れ間のことだったのです。端午の節句も、古くは梅雨時の行事。菖蒲の香りは、じめじめした長雨の毒消しになったのです。
 五月雨は、歌にも数多く詠まれてきました。例えば「日の道や葵傾くさ月あめ」(芭蕉)――梅雨にぬれて、葵の花が傾いて咲いている。その傾く方向は、太陽の通る道筋。日は出ていないが、葵も日の光を慕っているのだ、と。  

Posted by mc1460 at 13:20Comments(3)TrackBack(0)つぶやき

2018年06月10日

コミュニケーションが勝利の要

 仕事やスポーツなどで優れた結果を出すには、チームワークが不可欠です。しかし多様な人々を一つにまとめるのは容易ではありません。
 3年前までラグビー日本代表のメンタルコーチを務めた荒木香織氏は、「コミュニケーションが勝利の要」と語っています。まず大事なのは①リーダーが目標やビジョンを皆と共有すること。作業の指示や数字の押し付けだけでは一人一人が主体性を持てないからです。また②メンバーが自身の定めた目標に挑み、それがチーム全体の目標の達成に結び付くようにすることも重要である、と。
 最も大切なのは③組織内の他者に興味を持ち、互いを理解するよう努めること。日常生活も含めて相手のことを知るなど、意識的に関係づくりをしてこそ、チームの団結力・共感力は上がると強調しています。  

Posted by mc1460 at 11:52Comments(1)TrackBack(0)つぶやき

2018年06月09日

デマのスピード

 作家の半藤一利さんが「デマのスピード」と題して、こんなエピソードを紹介しています。
 時は1938年(昭和13年)。日中戦争が泥沼化し、日常生活も苦しくなる中、巷には多くのデマが飛び交っていました。そこで、デマが広まる速さを“実験”しようと陸軍参謀の一人が民間の友人に吹き込んだそうです。“国民の士気に関わるので今は伏せているが、実は双葉山が昨日死んだ”と。
 その後、参謀本部は“24時間内に、この噂話が入ったら直ちに報告せよ”と国内外の全陸軍部隊に周知しました。双葉山といえば当時、69連勝した大横綱。噂話はたちまち広がりました。一番遠くは満州(現・中国東北部)にある司令部からの報告だったという(『歴史のくずかご』文春文庫) へー、そうなんだ。  

Posted by mc1460 at 11:49Comments(6)TrackBack(0)つぶやき

2018年06月08日

アカウミガメ

 宮崎県内の海岸で、アカウミガメの産卵が始まったようです。実は日本は、世界有数のアカウミガメの産卵地なのです。太平洋側を中心に産卵が確認され、北太平洋では唯一の産卵地となっているそうです。
 環境省の「ウミガメ保護ハンドブック」によると、日本で生まれたアカウミガメは、黒潮にのって太平洋を横断し、エサが豊富な米カリフォルニア半島の沖合を目指します。そこで成長したアカウミガメは、産卵のために再び日本へ戻ってくるのだが、子ガメが親ガメほどの大きさになるには、約30年もかかるそうです。長旅を経て、夜の浜辺で静かに産卵するアカウミガメがいとおしくなりますね。  

Posted by mc1460 at 11:43Comments(4)TrackBack(0)つぶやき

2018年06月07日

信濃湯

 スーパー銭湯”などの人気はあるものの、東京都内の公衆浴場の数は、年を追って減り続けているそうです。
 東京・八王子市のある銭湯が、創業62年でのれんを下ろすことに。だが周知されるや、存続を求める署名運動が起こっりました。始めた有志の一人は「住民の貴重な交流の場だし、震災時には防災拠点にもなるから」と。署名は約2600人分も集まり、感動した店主が閉店の延期を宣言。銭湯は今、多くの人でにぎわっています。
 東京・信濃町の創価学会総本部がある場所にも、かつて「信濃湯」という名の銭湯があったそうです。営業していた時期は、昭和21年からの10年間。戦火で家を失った人たちのために地元町会が作ったもので、連日満員の大繁盛だったそうだったそうです。昼間や休日には集会場として活用され、子どもたちが紙芝居を見たり、婦人が民謡を踊ったりしていたという逸話もあります。
 人情味あふれる交流の場が今、世界中の人々が訪れる地となったことに、往時を知る方々も「不思議な縁を感じる」と語っています。毎夏、総本部の敷地で行われる信濃町商店振興会主催の盆踊り大会も盛況です。  

Posted by mc1460 at 13:53Comments(0)TrackBack(0)つぶやき

2018年06月06日

人生には後になって

 今日は創価学会の初代会長・牧口先生の誕生日です。
 東京の大正小学校で校長を務める牧口先生を追放しようと圧力がかかりました(1919年)。これは権力におもねることなく、理想の学校運営を進める牧口先生に私怨を抱く者たちの謀略でした。心ある教員や保護者が留任運動に決起しましたが、結果は異動となったのです。
 だが、この異動がなければ創価の歴史は変わっていたかもしれません。牧口先生は転任先の西町小学校で、北海道から上京した若き戸田先生と出会ったのです。人生には後になって意味が分かることがあります。目先の結果に一喜一憂せず信念を貫く時、どんな出来事も意味あるものになるのです。  

Posted by mc1460 at 11:47Comments(3)TrackBack(0)つぶやき

2018年06月05日

フローレンス・ナイチンゲール

 “白衣の天使”の象徴であるフローレンス・ナイチンゲール。彼女には「天使とは、美しい花をまき散らす者ではなく、苦悩する者のために戦う者である」との言葉通り、信念を貫く強さがありました。
 ナイチンゲールは莫大な資産を持つ英国のジェントリ(地主貴族層)出身で、豊かな暮らしを送っていました。しかし18カ月間の欧州旅行中、飢餓に苦しむ難民に遭遇したのです。 看護師は当時、下層階級の職業とされていましたが、彼女は家族の猛反対を押し切り、看護の道を使命と定めたのです。
 そこで病院の制度改革、看護教育の創設で地位向上に貢献し、“近代看護の母”と称賛されています。(リン・マクドナルド著『実像のナイチンゲール』現代社)
  

Posted by mc1460 at 11:41Comments(9)TrackBack(0)つぶやき

2018年06月04日

「戦争」の反対語は「対話」

 「戦争」の反対語を問われれば、多くの人が「平和」と言う事でしょう。だが経済学者の暉峻淑子氏(てるおか いつこ)の答えは「対話」です。“対話が続いている間は殴り合いは起こらない”とのドイツの言葉から発想したものです。
 『豊かさとは何か』等の著作を通し、社会の諸相を浮き彫りにしてきた氏。近年、地域や社会から本来の「対話」が失われつつあるように感じていると嘆いています。
 では「対話」とは何か。氏は「人間としての対等な立場で、その時その場にもっとも必要な自分の考えや感情を、自分の言葉で語る話し合い」と表現しています。一方的ではなく、双方の話を往復させる。一般論や抽象論ではなく、“自分自身”から離れない話題で。“お世辞”は対等ではないので対話にならない(『対話する社会へ』岩波新書)と。なるほど
  

Posted by mc1460 at 13:59Comments(0)TrackBack(0)つぶやき

2018年06月03日

走る勇気を持つこと

 交流戦で昨日、やっと初勝利を挙げた阪神。5年連続盗塁王に輝いたプロ野球・阪神タイガースの赤星憲広元選手は、一、二塁間をおよそ3・2秒で走ったそうです。投手が投げ、捕手の送球が二塁に到達するまでの時間も平均3・2秒。単純に考えれば、セーフの確率は五分五分です。
 だが赤星選手は、盗塁成功率8割以上を誇りました。秘訣は何か。氏は、まず「走る勇気を持つこと」だと答えています。そして、走る勇気を持つには、「準備をすること」が必要だと(『頭で走る盗塁論』朝日新書)
 相手投手や捕手、内野手の体の動きを観察する。データから配球パターンを割り出す。打者の特徴、アウトカウント、点差、風向きなどを考える。万全の準備が盗塁する決断を生む。裏付けのない勇気は、ただの無謀に過ぎないのです。納得!!  

Posted by mc1460 at 11:02Comments(2)TrackBack(0)つぶやき

2018年06月02日

ゲーミフィケーション

 生活や商品サービスなどに、ゲームの要素を取り入れる“ゲーミフィケーション”が増えているそうです。例えば「歩数競争」。歩数計の数をネットでつなぐと、全国の参加者との比較が可能になるようです。自ら想定した“ライバル”とゲーム感覚で競い、健康増進への励みにしています。
 “ゲーミフィケーション”は、「一人では、継続するのがつらい領域」で応用しやすいといわれています。ダイエットや禁煙、勉強に加え、燃費を競うサイトもあります。“エコ運転”を競うことで、環境問題にもひと役買っているとも。
 競争にも2種類あります。誰かが勝って利益を得ると、誰かが負けて不利益を被り、全体では利益と不利益の総和がゼロになる「ゼロサム・ゲーム」。もう一つが、互いに利益を得る「互恵的」な競争。当世の“ゲーミフィケーション”は後者で、競争を目的のための手段として、うまく利用しています。
 競争それ自体は、善でも悪でもなく価値中立的だそうです。  

Posted by mc1460 at 12:01Comments(0)TrackBack(0)つぶやき

2018年06月01日

「ついたち」は月が立つ日

 どうして月初めの「一日」を「ついたち」と読むのでしょうか。続く二日、三日、四日は「日」を「か」と読むにもかかわらず……
 「ついたち」は「月が立つ」という意味の「つきたち」から転じた読みだそうです。旧暦では月の満ち欠けを暦の基準にしていました。1カ月の始まりは「新月」の日。月が見えない状態から満月に向かって少しずつ膨らみ始める。その日を「月が立つ日」と、いにしえの日本人は捉えたのです。もちろん新暦の今では月の満ち欠けと暦は一致しません。
 暦に気を留める暇もないほど忙しい人も多いかもしれませんが、きょう「ついたち」から心新たに出発したいものです。昼は夏至に向かって強さを増す太陽の輝きとともに、夜は上弦の月から満月へ、日々満ちていく月の姿に自身の前進を重ねながら。さあーガンバロウ!!  

Posted by mc1460 at 11:44Comments(3)TrackBack(0)つぶやき

2018年05月31日

アンテナを張る思いやりでしょう

 人に何かを教える時、言葉の選び方で、相手の理解は全く違ってきます。
 元陸上選手の為末大さんは、子どもたちにハードルの跳び方を教える時、「ハードルの上にふすまがあるから破ってごらん」と言うそうです。坂東玉三郎さんは舞を教える時、腕をどの角度でどうすると言うより、「空から舞ってくる雪を両手ですくうように」とか「扇子で受けるように」と教えるそうです。すると、すぐに分かってもらえるという(『伊東豊雄 子ども建築塾』LIXIL出版)
 何かを人に伝えたい時、自分の頭の中だけで、どんなに隙のない、正確な言葉を考え、話しても、理解されなければ意味がありません。大事なのは、相手の立場に立ち、相手がどう感じているかにアンテナを張る思いやりでしょう。  

Posted by mc1460 at 13:46Comments(0)TrackBack(0)つぶやき

2018年05月30日

何歳になっても学び直しができる

 73歳で大学に合格し、現在、学生生活を送るタレントの萩本欽一さん。英単語の覚え方がユニークだそうです。
 それは、一つの単語を語呂合わせで“物語”にするというものです。例えば「unfortunately(=残念ながら)」であれば、「餡が、4カ所から、チューチューと吸われてなくなった。残念ながら」という具合だそうです。ユーモアに富んだ工夫が、いかにも“欽ちゃん”らしいですね。
 円周率の4万桁暗唱の元ギネス記録保持者・友寄英哲さんも、円周率の数字の羅列を、10桁ずつに分けて語呂合わせで覚えたそうです。その“物語”は、荒唐無稽な方が、よりインパクトがあって記憶に残りやすいそうと語っています。
 脳には、私たちの想像をはるかに超える能力が秘められています。東北大学加齢医学研究所の瀧靖之教授によれば、脳には可塑性(変形しやすい性質)があり、何歳になっても学び直しができる。発達のピークを過ぎても、努力をすれば身に付けたい能力を獲得できるという。
 年齢を重ねるほど、「自分にはできない」「この歳だから無理」と決め付けてしまいがちです。この“決め付け”が成長を妨げる最大の敵だ。自分らしく、若々しい挑戦の心で、充実と喜びの人生を開きたいものです。  

Posted by mc1460 at 11:47Comments(4)TrackBack(0)つぶやき

2018年05月29日

坂道

 東京・目黒区には坂が多いそうです。故・美空ひばりさんの自宅も坂道の途中にありました。
 現在は「美空ひばり記念館」として公開されているその場所に、本人の一詩が飾られています。「生れし時に/この道知らずとも/この道を歩み/幾年月ぞ/今日涙して/明日又/笑おうぞ」。
 昭和の歌姫が生を受けたのは、81年前の今日。52年の生涯に歩んだ道は、マスコミの心ない中傷や、病との格闘、最愛の母と弟の死など、苦難の風雨に打たれ続ける坂道でもあったのです。  

Posted by mc1460 at 11:40Comments(6)TrackBack(0)つぶやき

2018年05月28日

自身を表現するのです

 「音楽は時代を映す鏡」といわれます。では、変化が激しい現代でヒット曲を生む秘訣は何か。若者に人気の楽曲を手掛ける音楽家が答えました。
 情報通信技術などの発達で、音楽を“聴く方法”“受け取る方法”は多様になりました。だが、曲作りの本質は変わらない。重要なのは人々の“歌いたい”という気持ちを引き出すこと。“聴く”だけでは受け身にすぎない。童謡と同じように、歌は「歌い継がれることで広まっていく」という(柴那典著『ヒットの崩壊』講談社現代新書)
 歌う時、人は自分の感情を託したり、人生の経験を重ねたりするものです。だから同じ歌でも、人ごとに深みや味わいは異なります。歌うという行為によって、その人は代わりのいない“主役”となり、自身を表現するのです。  

Posted by mc1460 at 13:36Comments(10)TrackBack(0)つぶやき

2018年05月27日

2万7000本以上のワイヤが

 米サンフランシスコ市にあるゴールデン・ゲート・ブリッジは81年前のきょう開通しました。全長2737メートル、主塔の高さは227メートル。振動に耐えられるよう、固定するのではなく、ケーブルで橋桁をつり上げています。
 橋のたもとの広場にはケーブルの断面図が展示されているそうです。直径約92センチのケーブルの中には、2万7000本以上のワイヤがある。一本一本は細くとも、束ねることで巨大な橋を支えているのです。  

Posted by mc1460 at 10:57Comments(6)TrackBack(0)つぶやき