2018年09月07日

闘牛士

 引退した闘牛士が、闘牛用の牛を育てて暮らしていました。ある時、知人からアメリカの黒人音楽家が作った「スケッチ・オブ・スペイン」というレコードの話を聞きました。闘牛士は外国人がそんな作品を作るのは不可能だと言い張ったそうです。その理由として「フラメンコやスペイン文化の知識が少ないからな」と。
 しかし、レコードがかかると彼は静かに聞き入ったそうです。終わると立ち上がり、久しぶりに闘牛士の服を着ました。そして、自分が飼っていた牛と闘いを始めたという。理由を聞かれると「音楽に感動して、闘わずにはいられなくなった」と。
 これは、ジャズ・トランペッター、マイルス・デイビスの作品にまつわる逸話です(『マイルス・デイビス自叙伝Ⅱ』宝島社文庫)。  

Posted by mc1460 at 11:40Comments(99)TrackBack(0)つぶやき