2015年12月30日
ソクラテスは語りました
ソクラテスは語りました。――文字に頼ると、人は忘れっぽくなる。「自分の力によって内から思い出すことをしないようになるからである」(プラトン著『パイドロス』藤沢令夫訳)
人は、大事なことを「メモ」に記します。しかし、それで安心し、読み返すことをしない。だから、肝心なとき、役に立たない。自らの「心」に刻む――その努力は、やはりいつの時代にも欠かせない事です。
とはいえ、昨今のインターネット社会は、知りたい情報がすぐ手に入ります。しかし、ややもすると“もの知りになった”と錯覚しがちだ。しかし、ソクラテスは指摘しています。「知者となる代りに知者であるといううぬぼれだけが発達するため、つき合いにくい人間となるだろう」(同)
ソクラテスはコンピューターなど知りもしない。が、知識と人間をめぐる洞察は、数千年を経てもみずみずしい。この事実こそ、ネット社会の利便性より、よほど感動的ではなかろうか。
人は、大事なことを「メモ」に記します。しかし、それで安心し、読み返すことをしない。だから、肝心なとき、役に立たない。自らの「心」に刻む――その努力は、やはりいつの時代にも欠かせない事です。
とはいえ、昨今のインターネット社会は、知りたい情報がすぐ手に入ります。しかし、ややもすると“もの知りになった”と錯覚しがちだ。しかし、ソクラテスは指摘しています。「知者となる代りに知者であるといううぬぼれだけが発達するため、つき合いにくい人間となるだろう」(同)
ソクラテスはコンピューターなど知りもしない。が、知識と人間をめぐる洞察は、数千年を経てもみずみずしい。この事実こそ、ネット社会の利便性より、よほど感動的ではなかろうか。