2015年12月28日

楫取素彦にも光が当たりました

 今年のNHK大河ドラマ「花燃ゆ」は吉田松陰の妹・杉文を中心に、幕末・明治を生きた人間群像を描いていました。高杉晋作や久坂玄瑞ら、維新の花形とともに、後に文の夫となる楫取素彦にも光が当たりました。
 楫取は、初代群馬県令として活躍しました。群馬は、徳川家との関係の深さなどから、統治の難しい土地といわれた。だが楫取は県政の先頭に立ち、範を示した。自ら政府に訴え、富岡製糸場の閉場の危機を救う。全国でも名をはせた道徳の教科書を編さんさせ、序文を執筆した。共に歩み、汗する楫取は県民に〝至誠の人〟と慕われ、県令を退任する際、留任運動が起こるほどでした。
 吉田松陰は、捕らえられ、江戸へ送られる直前、後事を託した手紙を楫取に送りました。その冒頭に記されたのが、有名な「至誠にして動かさざる者は、未だ之れあらざるなり」(孟子)です。
 勝海舟は「正心誠意」と言い、西郷隆盛は「人を咎めず、我が誠の足らざるを尋ぬべし」と言いました。幕末・明治の英雄たちは、権謀術数の渦巻く革命の動乱に身を投じただけに、何が最後に人の心を動かすかを、身に染みて知っていたのです。
  

Posted by mc1460 at 11:38Comments(0)TrackBack(0)つぶやき