2015年12月09日
正しい音楽芸術
日本で最初に音楽博物館の設立を提唱した音楽学の権威・田邉尚雄。氏は1883年に信濃町に生まれ、生家は民音音楽博物館のある民音文化センターと1番地違い。日本を西洋文化の模倣国家ではなく、一流の文化国家に育てる志をもち、民音の発展にも限りない期待を寄せました。
論文「道徳と音楽」で氏は、シューマンの「最高の芸術は道徳と一致す」等の言葉を引き、洞察しています。「音楽は道徳の手段ではなく、正しい音楽芸術それ自体がすなわち道徳というものである」。音楽は本来、余興や、何かの手段の地位に甘んじるものではない。精神の深みから生まれた一流のそれは、人に生きる希望を与え、社会を動かす力さえ持つのです。
論文「道徳と音楽」で氏は、シューマンの「最高の芸術は道徳と一致す」等の言葉を引き、洞察しています。「音楽は道徳の手段ではなく、正しい音楽芸術それ自体がすなわち道徳というものである」。音楽は本来、余興や、何かの手段の地位に甘んじるものではない。精神の深みから生まれた一流のそれは、人に生きる希望を与え、社会を動かす力さえ持つのです。