2013年06月22日

1780人

 太平洋戦争の末期、凄惨を極めた沖縄戦がありました。ここには徴兵年齢に達しない14歳から17歳の男子学徒で組織された「鉄血勤皇隊」の1780人も戦場に駆り出され、半数が犠牲になりました。未来を担うはずの若く尊い命が奪われたのです。
 琉球大学名誉教授の東江康治氏も隊の一員でした。当時16歳で、実弾射撃を一度も経験しないまま銃を渡されたそうです。そして、戦場で、米兵に右胸を撃たれました。「日本の軍服は、敵の弾は通さない」と聞かされてきたそうです。だが、弾は貫通し瀕死に陥ったのです。
 一命を取り留めた氏は、戦後、「平和教育」に人生を捧げました。それは、自ら被弾し〝命の尊さ〟を知ったからだけではありません。なんと、渡米した兄が米兵として沖縄戦に従軍したことを戦後知りました。兄弟を敵と味方に分け、その絆をも断とうとした〝戦争への怒り〟からでもあったのです。「平和は勝ちとるものです。一人一人がその大切さを意識し、絶えず訴えていかねばならない」と氏は語っています。  

Posted by mc1460 at 11:38Comments(0)TrackBack(0)つぶやき