2013年03月13日

日ごろの教え通りに

 釈尊の晩年の話です。弟子の阿難は、“師は亡くなる直前に、弟子になにか特別な教えを説くだろう”と信じていました。それを知った釈尊は、嘆いて言った。「わたくしは内外の隔てなしに(ことごとく)理法を説いた」「弟子に隠すような教師の握拳は、存在しない」(中村元訳『ブッダ最後の旅』)
 当時、バラモン教では、師が死ぬ間際、握り拳の中に“秘伝”を隠し、特別な弟子だけに授ける習わしがあったようです。しかし、万人に開かれた仏法に、秘伝など存在しません。釈尊は阿難に、日ごろの教え通りに「努めはげんで修行せよ」と諭したそうです。  

Posted by mc1460 at 11:13Comments(0)TrackBack(0)つぶやき