2013年03月07日

言葉の重要性

 医療にとって、技術の進歩が大事なことは言うまでもありません。それ以上に言葉の重要性が増していると、医師の鎌田實氏は指摘しています。人間を相手にするからには「言葉を扱う職業」との認識に立て、と。
 例えば、患者の側が薬や治療の説明を求めても、「素人にはわからないよ」と不愉快な顔をする医師がいます。そうした言動が、患者に不信や不安を抱かせ、ひいては生命力を減退させかねません。氏は訴えます。「丁寧で、心をちょっと支えるような言葉が必要」「生きる力を注ぐ言葉が大事」(『言葉で治療する』朝日新聞出版)
 これは、医療の現場だけではありません。言葉は、人間関係を円滑に導く“橋渡し”です。しかし今、対話を断ち切ろうとする“素っ気ない”“冷たい”言葉があふれてはいないでしょうか。心を傷つける言葉が横行すると、人間も社会も病んでいくばかりです。  

Posted by mc1460 at 11:53Comments(0)TrackBack(0)つぶやき