2018年04月30日

積み木みたい

 建築やデザインの世界に「神は細部に宿る」という格言があります。これは宗教的な意味ではありません。柱1本、タイル1枚――そうした細部に徹底してこだわってこそ、全体の美が生まれる、ということです。近代建築の巨匠ミース・ファン・デル・ローエの言葉とされています。
 数寄屋大工の齋藤光義氏は、かつて上棟式の後、設計士から、柱を全て、図面よりわずかに丸みを帯びたものに変えてほしいと言われたそうです。悔しかったが、半年後、完成してみると、確かに部屋の雰囲気が心地良い。あの丸みが、そうさせたことを思い知ったそうです。
 その後も氏は、〝柱を数ミリ太く〟とか〝木の表面をごくわずかに削って〟と注文を受けます。妥協なきこだわりに触れて、奥深い数寄屋の世界に引き込まれていったのです。「大工仕事も積み木みたいなものですからね」と氏は語る(『運命を変えた33の言葉』NHK出版新書)  

Posted by mc1460 at 11:26Comments(9)TrackBack(0)つぶやき