2015年01月27日
700年の伝統
自分のプレーやフォームを映像で確認することは、芸能やスポーツの世界で当たり前になっています。だが、昔はそんな便利な機械はありませんでした。
では、どうしたのか。「離見の見(りけんのけん)」という言葉があります。これは室町時代の能の大成者、世阿弥が言った言葉です。己を離れ、観客席から見るつもりで、演者の自身を見る。その時こそ「わが姿を見得するなり(自分の姿が見える)」との戒めです。
能では、シテ(主役)が舞い終えると幕の内に入り、大きな鏡の前に立つそうです。装束も面も着けたまま、客席に見えていたであろう自分の姿を見る決まりがあります。二十六世観世宗家の観世清和氏は、“舞台の出来不出来を突きつけられる厳しい時間”と(『能はこんなに面白い!』小学館)。この省察と精進が、700年の伝統を築いた礎なのです。
では、どうしたのか。「離見の見(りけんのけん)」という言葉があります。これは室町時代の能の大成者、世阿弥が言った言葉です。己を離れ、観客席から見るつもりで、演者の自身を見る。その時こそ「わが姿を見得するなり(自分の姿が見える)」との戒めです。
能では、シテ(主役)が舞い終えると幕の内に入り、大きな鏡の前に立つそうです。装束も面も着けたまま、客席に見えていたであろう自分の姿を見る決まりがあります。二十六世観世宗家の観世清和氏は、“舞台の出来不出来を突きつけられる厳しい時間”と(『能はこんなに面白い!』小学館)。この省察と精進が、700年の伝統を築いた礎なのです。