2013年12月23日
銀座
関東大震災があった年の暮れ、物理学者の寺田寅彦が東京・銀座の街を歩いたそうです。そこで見たものは、いつのまにか並んだバラック(仮小屋)などで、年末年始用の商品が売られ、多くの人々が行き交う光景に、「地震前と同じ銀座のような気もする」と記しています(『柿の種』岩波文庫)
たしかに震災後の街に活気が戻った、といえなくもない。だが寺田は、「銀座というものの『内容』は、つまりただ商品と往来の人とだけ」「それとも地震前の銀座が、やはり一種のバラック街に過ぎなかったということになるのかもしれない」と手厳しく綴っています。
たしかに震災後の街に活気が戻った、といえなくもない。だが寺田は、「銀座というものの『内容』は、つまりただ商品と往来の人とだけ」「それとも地震前の銀座が、やはり一種のバラック街に過ぎなかったということになるのかもしれない」と手厳しく綴っています。