2013年08月03日

「魂柱」

 バイオリンの中には「こんちゅう」がいる。といってもムシの話ではありません。漢字で書くと「魂柱」となります。これは直径1センチにも満たない丸い木の棒のことです。
 「魂柱」はバイオリンの表板と裏板の間にはめ込まれている、この一本の棒の事です。しかし、胴体の奥にあるため、ふだんは外から見えません。だが、弦の振動を胴体に伝える重要な役割を果たし、その位置の微妙な変化が楽器の音色や音質を左右するという。ビオラ、チェロ、コントラバス。バイオリンと同じ姿のこれら弦楽器の中にも、この「魂の柱」が立っているそうです。
 弦楽器の世界的名器「ストラディバリウス」が作られたイタリア。ここでは、その棒「魂柱」を「アニマ」と呼ぶそうです。アニマとは「魂」「心」「生命」の意です。どんな名器も、この棒がなくては本来の音が出ません。楽器作りに心血を注ぐ職人たちの、祈りにも似た思いが伝わってくるようです。  

Posted by mc1460 at 11:44Comments(0)TrackBack(0)つぶやき