2016年12月23日

年の瀬の風物詩

 年の瀬の風物詩となった「第九」。各地の公演を支えるのは、地方の楽団の活動です。映画「ここに泉あり」にも描かれた群馬交響楽団(群響)はその先駆け。今年、創立71周年を刻みました。
 終戦の年に前身の「高崎市民オーケストラ」が結成されましたが、日ならずして財政難になりました。そこで考えられたのが、学校に出向いて演奏する「移動音楽教室」だったのです。
 山深い村の学校を訪れた時のこと。教師が言ったそうです。“この子どもたちはもう二度と生の音楽を聴くことはないでしょう。しかしラジオで聴くたび、バイオリンはこうして、と演奏を思い浮かべ、今日の思い出は一生残るものになるでしょう”(『愛のシンフォニー』丸山勝廣著、講談社)。誇りの灯が団員の心にともったに違いありません。  

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2016年12月22日

冬季が最も多いそうです

 早いもので今年も、きょうも含め10日となりました。師走は何かにつけて気がせいたり、反対に気が緩んだりして、けがや事故の危険が増す時です。
 特に注意したいのが火災です。火災の発生件数は、暖房器具が使われ、乾燥する12月以降の冬季が最も多いそうです。災禍を防ぐためには「気をつけて!」と、家庭や地域で声を掛け合う努力が肝心です。皆で注意を喚起し、防火への意識を高め合っていくネットワークが、乳幼児、高齢者、障がい者といった「災害弱者」を守る大きな力にもなります。  

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2016年12月21日

音楽の力

 東日本大震災が起きた直後、あるラジオ局に被災者から寄せられた要望で一番多かったリクエストは、「音楽を流してほしい」ということでした。
 ドイツの文豪ゲーテは、死の危機を脱した後の手紙に、こう書いています。時に文豪73歳。「何よりも奇蹟的なことは、ここ数日、私に働きかけた音楽の恐ろしいばかりの力だ!」「(音楽は)固く握りしめたこぶしのようだった私の心を優しく解きほぐしてくれる」(柴田翔訳)と。  

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2016年12月20日

エルトゥールル号

 1890年9月、オスマン・トルコ帝国の使節を乗せたエルトゥールル号が帰国の途中、台風に遭い、和歌山県沖で沈没しました。この時、紀伊大島の島民は、夜通しで救助にあたり、69人の命を救ったのです。
 民族、宗教、イデオロギーのために憎み合い、ときに殺し合うのも人間なら、わが身の危険も顧みず、他者の命を救おうとするのも人間です。「日本人だから」こういう行動ができたのではない。苦しんでいる人を救いたいという「心」に国境はないのです。
 この救出劇はトルコの親日感情をつくった要因の一つといわれます。民衆の真心の行動が、126年の時を経て、二つの国の友情を支えているのです。  

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2016年12月19日

数字

 クイズを一つ。「1日増えると1日減るものは?」。答えは「日めくりカレンダー」です。大みそかに近づくほど、1年の残り日数が減るのが分かり、もう一踏ん張りと心に期す人も多い事でしょう。
 無味乾燥な数字にも、数量以上のものを見るのが人間なのでしょう。作家の吉行淳之介さんは、数字を人になぞらえて語っています。「3っていいね。相手を待っているって感じもあるな(笑)。8になるのをね」(『向田邦子全対談』文春文庫)
 『字通』には、漢字の「五」が「伍と通じ、なかま」の意味を持つとあります。  

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2016年12月18日

日常の道具

 「フェイスブック(FB)」や「ツイッター」などのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)は、欠かせない日常生活の道具という人も多い事でしょう。
 デンマークの「幸福度研究所」が、FBに関する実験を行いました。共同通信などの報道によると、約1000人を二つのグループに分け、片方に1週間、FBを禁止したところ、そのグループの「幸福だ」と回答した人の割合が、もう片方のグループの回答に比べ、7%上回ったとそうです。
 ITで、多量の情報、多くの人とつながることができても、人生の確かな充実を得るには足りない。「便利」が即、「幸福」とは限らない。その点、西垣通さん(東大名誉教授)の指摘が示唆的でした。「伝達用の『知識』としての言葉は、リアルな実体験や対話・熟議といったコミュニケーションを通して初めて、人間にとって必要な『知恵』の言葉へと発展していく」と。納得  

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2016年12月17日

人間がユニークな理由

 米国のノーマン・カズンズ博士。彼は膠原病を患い、500分の1しか回復の見込みはないと医師から宣告されました。しかし希望を失わず、医学の常識を覆し回復したのです。博士は「人間がユニークな理由」として、「食物だけでなく、希望までも大切なエネルギーに変え得る能力」を挙げています(松田銑訳『生への意欲』岩波書店)
 希望を創り出し、その希望を、人にも贈ることができるのが人間です。  

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2016年12月16日

銀の鈴の音

 19世紀から20世紀にかけて名声を博したフランスの舞台女優に、サラ・ベルナールがいます。〝銀の鈴の音〟とも形容された彼女の声は、レストランのメニューを読み上げただけで、その場にいた全員を泣かせたという逸話が残っています。
 彼女は後年、けがが原因で脚を切断する事態に見舞われましたが、それでも舞台に立ち、歌声で観衆を魅了しました。「声の力」「音楽の力」を信じ抜く心の強さが、人々の心を揺さぶったのでしょう。  

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2016年12月15日

ヒマラヤの写真

 美術史家ルネ・ユイグ氏は池田SGI会長の写真を「眼で詠まれた詩」と評していますが、ネパール写真家協会は「写真文学」と表現しています。マナンダール会長は「池田博士の写真には深い精神性があります。『一瞬の美』を捉えた写真から無限の物語を思い描くことができます」と。
 SGI会長撮影の傑作の一つに、ヒマラヤの写真があります。これはカトマンズ郊外の丘から撮影しました。SGI会長が諸行事を終え、丘に立ったのは夕暮れ時。それまで雲に隠れていたヒマラヤの山々が、劇的に姿を現しました。あかね色の空にシルエットのように浮かび上がる瞬間をカメラに収めたのです。
 「あの丘に行けば、誰もが撮れる写真では絶対にありません」とマナンダール会長。2004年に「自然との対話――池田大作写真展」を母国で鑑賞して以来、SGI会長の写真芸術を追究し続けています。氏は強調しています。「この10年で、池田博士のような写真が撮れたのは、たったの1回だけです」と。  

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2016年12月14日

次には勝つことができるのです

 きのうと同じきょうはありません。人は皆、“初めての挑戦”を繰り返しながら生きています。人生自体が“未知への探検”の連続といえるでしょう。むろん失敗もあります。しかし、それを「不運」の一言で済ませては成長はないのです。「何が足りなかったのか」を深く学んでこそ、次には勝つことができるのです。  

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2016年12月13日

宇宙からの視点

 宇宙の話題には誰もが無条件に胸が躍ります。宇宙から見た地球には国境などなく、民族や国家などの差異を超えて、「人間」という存在に思いをはせるからでしょうか。
 和歌山大学・宇宙教育研究所の尾久土正己教授は、「グローバル」に考えるということは、〝地図上の視点〟で発想することではなく、〝宇宙からの視点〟に立つこと、と述べています。実際、宇宙から地球を眺めた経験を持つ宇宙飛行士に、世界観を変えた人は多いのです。  

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2016年12月12日

石割桜

 およそ400年前、岩の裂け目に落ちてしまった不運な種がありました。だが、種は強かった。劣悪な条件の中で発芽し、成長。やがて岩の裂け目を自分の体で押し広げ、堂々たる大木に育ちました。
 これは岩手県の盛岡市にある「石割桜」の事です。国の天然記念物であります。
 近年、樹勢の衰えが指摘されていた石割桜は震災後、一段と幹を成長させ、傷ついた人々の心に希望を送っています。この冬も花芽をつけ、春を待っています。  

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2016年12月11日

広瀬淡窓

 直木賞作家の葉室麟氏が小説『霖雨』で、近世日本最大の私塾「咸宜園」(大分・日田市)を巡る人間模様を描いています。
 初代塾主・広瀬淡窓の教育への信念を、「努力を粘り強く見守ることが、ひとを教えるということ」と綴っている場面が印象的です。本年、生誕234周年の広瀬淡窓は、江戸時代にあって「三奪」を唱え、塾生の年齢・学歴・身分の三つを〝奪って〟平等に遇し、個性重視の人間教育を行いました。
 明治になって、大分の隣県・熊本には、第五高等学校(現在の熊本大学)が設置されました。そのキャンパスには今、「師弟の和熱ハ育英ノ大本タリ」と刻まれた碑が立っています。これは夏目漱石が、同校の開校10周年記念式で、教員総代として述べた祝辞の一節です。
 努力を重ねる学生と、その成長を見守り、励ましに全力を注ぐ教師――両者が和して互いの情熱が燃え盛るところに、教育・育成の根本があります。  

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2016年12月10日

小さなきっかけが

 定時制の工業高校に勤務する青年教師が試験用紙を配っていると、一人の生徒の指先に油が付いていました。昼間は町工場で汗し、夜学に通う真摯な姿に胸を打たれた教師は、“自分も真剣に学び直そう”と大学院に進んだそうです。
 この、かつての青年教師が昨年、ノーベル医学生理学賞を授賞した大村智さんです。小さなきっかけが、人生を大きく変える――地道な微生物の研究を重ね、何億人もの命を救う成果を生んだ大村さんの人生も、そうだったのです。  

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2016年12月09日

魔法の笑顔

 周囲をパッと明るくする「魔法の笑顔」と評判の、快活な女性がいます。この女性は16年前、がんを発病。その時、心の支えになったのは、まだ幼かった娘が作ってくれた「日めくりカレンダー」だったそうです。
 そこには、こんな言葉が。月曜「まけるな」、火曜「がんばれ」、水曜「ゆうきを出して」、木曜「元気を出して」、金曜「おうえんしてる」、土・日曜「大大大大大好きな、おかあさん」。この女性は涙して暦をめくったそうです。  

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2016年12月07日

水木さんの使命感

 「動物園の動物を見ると、なんとなく『大変だろうなァ』と思いながら、じーっと動物の目を見る習慣がついてしまった」。と語っていたのは漫画家の水木しげるさん。かつて初年兵として、南方の激戦地に送られた自分を重ねたのです。
 満足な食事もなく、毎日古兵に殴られ、生還しても「なぜ死ななかった」となじられる。戦争の不条理への怒りが、水木さんの創作のエネルギーになりました。〝妖怪物〟と並んで、〝戦記物〟で戦後漫画史の一時代を築いたのです。
 その集大成の一つが、自らの戦場体験を赤裸々に織り込んだ『総員玉砕せよ!』(講談社文庫)。水木さんの分身・丸山二等兵が、銃撃され死んでいくラストは圧巻です。丸山はつぶやく。「ああ、みんなこんな気持で死んで行ったんだなあ」「誰にみられることもなく、誰に語ることもできず……」戦場に散った仲間の声なき声を刻み残すことが、水木さんの使命感だったのです。  

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2016年12月06日

未来とは

 歴史家ミシュレは「未来とは、すでにつくられて待つだけのものではない。それは、みずからが創造せねばならぬところのものである」(桑原武夫訳)と述べています。輝く未来は一人一人の胸中にある。要は、それを引き出す努力をするか否かなのです。  

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2016年12月05日

流行語大賞

 「神ってる」が今年の新語・流行語大賞です。「爆買い」は、昨年の新語・流行語大賞でした。中国人観光客らによる大量購入を指す言葉です。
 来日中国人の激増は「インバウンド(訪日客)消費」の活況に直結しますが、これからの日中関係を底流で支えていく意義のほうに注目したいものです。中国の人に日本を直接見て、人々と触れ合ってもらう。この人間的交流の水かさが増せば、両国を往来する〝政治の船〟が座礁する可能性も低くなるでしょう。  

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2016年12月04日

表現する姿

 慶應義塾大学の塾長を務めた小泉信三氏は、歌舞伎が好きでした。だが関東大震災で大きな劇場は皆、焼けてしまい、“もう、東京で芝居は見られない”と諦めていると、思いがけず、小さな劇場で成駒屋5代目・中村福助の歌舞伎を観劇できました。見せ場のシーンで一斉に三味線が鳴りだす。氏は、涙を抑えられなかったそうです(『小泉信三伝』文春文庫)。
 このとき、氏の心眼が捉えたものは、狭い劇場で演じる福助ではなかったのです。形あるものは灰と化した東京の中で、人間の美と気高さを表現する姿であったに違いありません。  

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2016年12月03日

カレンダーの日

 きょうは「カレンダーの日」です。太陽暦の採用に伴い、旧暦の1872年(明治5年)12月3日を、新暦の翌73年1月1日にしたことが由来だそうです。
 「12月3日」の数字が、1、2、3……と、時を刻むように見えます。今年もあっという間に師走を迎えた感がありますが、暦を見返し、手帳を手繰ると、鮮やかによみがえる人も多い事でしょう。  

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