2016年12月23日

年の瀬の風物詩

 年の瀬の風物詩となった「第九」。各地の公演を支えるのは、地方の楽団の活動です。映画「ここに泉あり」にも描かれた群馬交響楽団(群響)はその先駆け。今年、創立71周年を刻みました。
 終戦の年に前身の「高崎市民オーケストラ」が結成されましたが、日ならずして財政難になりました。そこで考えられたのが、学校に出向いて演奏する「移動音楽教室」だったのです。
 山深い村の学校を訪れた時のこと。教師が言ったそうです。“この子どもたちはもう二度と生の音楽を聴くことはないでしょう。しかしラジオで聴くたび、バイオリンはこうして、と演奏を思い浮かべ、今日の思い出は一生残るものになるでしょう”(『愛のシンフォニー』丸山勝廣著、講談社)。誇りの灯が団員の心にともったに違いありません。

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