2017年02月01日

蛮勇と勇気は違う

 若くして世界五大陸の最高峰を制覇するなど、傑出した登山家、探検家として知られた故・植村直己氏。ある時、“探検家に必要な資質は?”と問われ、こう答えたそうです。「臆病者であること」。意外に思える言葉ですが、自然の怖さを熟知するゆえの謙虚さが伝わってきます。
 一方で、氏の自伝『青春を山に賭けて』を開くと、痛快な冒険譚にあふれています。100ドル余りしか持たずに単身でアメリカに渡ったり、船賃を惜しんでアマゾン川をいかだで下ろうとしたり……
 事を始める際、臆病なほど慎重に現実を見据え、可能とあらば大胆に挑む。「世界のウエムラ」と仰がれた人物の真髄を垣間見る。蛮勇と勇気は違う。氏は勇気を体得していたのです。  

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2017年01月31日

ラストダンスは私に

 「ラストダンスは私に」という歌をご存知ですか。ダンスパーティーで人気の男性の姿を見ながら、「最後の曲は私と」と、切なく思う女性の歌です。
 日本では越路吹雪さんで知られていますが、もとはアメリカの曲です。プレスリーなどに楽曲を提供した、D・ポーマスとM・シューマンの名コンビの作品なのです。
 原曲では主人公は男性。ポーマス自身がモデルでした。貧しいユダヤ移民の家庭に生まれ、幼いときの病気の後遺症で松葉杖の生活。その実体験の思いが込められていました。  

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2017年01月30日

平和を愛する精神風土

 沖縄では「ンマハラセー」(琉球競馬)が70年ぶりに復活し、話題を呼んでいます。琉球競馬は速さではなく、走りの美しさを競うという独特の競馬で、約500年前の琉球王朝時代に士族の娯楽として始まり、後に農民の間にも広がりました。
 小柄で温順な性質をもっているという沖縄の在来馬。当時は、人や荷物をスムーズに運ぶため、馬上を揺らさず走る実用性が重宝されていたという。「人も馬も着飾り、優雅に走りを楽しむというのが、争いごとを好まない琉球の精神性を象徴しているように思う」と、復活に携わった関係者は語っています。
 沖縄のことわざに「意地ぬ出じらぁ手引き、手ぬ出じらぁ意地引き」とあります。「意地(怒り)が出たら手を引け、手が出そうになったら意地を引け」との意です。自制心を培い、平和を愛する精神風土を築いてきた先人たちの教えは、人間性だけでなく娯楽にまで、その影響を与えたとみえます。  

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2017年01月29日

「教育」ではなく「発育」

 民音主催「親子のための手作り楽器の体験学習・音楽会」の講師を務める池田邦太郎氏は「子どもたちの素直な心を尊敬し、大人が彼らより『下に(アンダー)立った(スタンド)』時、初めてその心が『understand』=理解できる」と語っています。
 英語で「education」は「教育」と訳されますが、福沢諭吉はこの訳に異を唱えました。『文明教育論』で「学校は(中略)天資の発達を妨げずしてよくこれを発育するための具」とあり、「教育」ではなく「発育」と訳すべきであるとしています。
 価値観を上から押しつけるのでなく、相手に本来そなわっている可能性を見いだそう、引き出そうと真摯に努力する――その姿勢を敏感に感じて子どもは伸びていく。人を教育しようと思うなら、まず自分を教育する。相手に変わってほしいなら、まず自分が変わることだろう。福沢は「発育」と言っています。  

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2017年01月28日

リーダーシップ

 「リーダーシップは賢さに支えられるものではない。一貫性に支えられるものである」とは、経営学の父と呼ばれるドラッカーの言葉である(『プロフェッショナルの条件』ダイヤモンド社)。
 いかなる状況でもやり抜く力。その一貫性を生み出すのは「信念」であり、信念に裏打ちされた「努力」「忍耐」です。今も昔も変わらぬリーダーの条件でしょう。  

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2017年01月27日

戦う魂の表れ

 戦国武将・真田一族の魅力の一つに、小よく大を制する巧みな知略が挙げられます。
 また大坂の陣で真田幸村(信繁)の軍勢が身に着けた、赤い甲冑も鮮烈です。戦場で最も目立つ赤色は戦う魂の表れ。「戦と言うのは、臆すれば、敵に攻め込まれ、自分自身も命を落とすことになる。敵に勝ち、自らも生き残るためには、攻めて攻め抜くことを心がけねばならぬ」(三池純正著『真田幸村と大坂の陣』第三文明社)。
 この命懸けの覚悟が、真田の名を歴史に刻印したのです。  

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2017年01月26日

よそに出掛ける

 ある少年が「西遊記」の本を読み、母に尋ねました。「孫悟空は、いっぱい戦って、遊んでなんていないのに、どうして『西遊記』なの?」と。母はほほ笑み、漢字辞典を一緒に開いたそうです。「『遊』には『よそに出掛ける』という意味があるんだね」と少年は納得しました。「遊説」「遊学」なども、こちらの意味に近いですね。
 釈尊の化導も「遊行」といわれました。全インドを歩きに歩き、民衆の中で仏法を説き、弟子にも〝四方のどこにでも赴き、苦難に耐え、全てに打ち勝って歩め〟と呼び掛けたのです。
  

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2017年01月25日

基礎を固める

 冬、一見すると動きがないようでも、植物は春への備えを怠らりません。温度条件が整って一気に伸びる時、土に十分な肥料があり、酸・アルカリの状態が適切でないと、品質のよい収穫物は期待できないのです。
 寒くても、春へと続く冬だからこそ、打てる手を打つ。基礎を固める。それが勝利の因となるのです。「疾風に勁草を知る」(後漢書)。激しい風が吹いてはじめて、丈夫な草が見分けられます。同じように、人生にあっても〝冬〟に努力を惜しまないことが、福徳の“春”を呼ぶ力となるのです。  

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2017年01月24日

発想しやすくなる

 「あなたのアイデアは?」。決まった答えではなく、意見や考えを問う教育への転換が叫ばれて久しいですね。これは、目標のモデルが存在せず、激変する世界に対応しながら幸福社会を創造するには、「新しい発想」が不可欠だからだです。
 では、発想力をどう磨くか。明治大学の齋藤孝教授は『考え方の教室』(岩波新書)で、目の前で困っている人に「どうしてあげたらいいんだろう?」と考えることだと指摘しています。条件が曖昧だと、考えもまとまりにくい。具体的な相手を思い浮かべることで、発想しやすくなるとの指摘です。  

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2017年01月23日

カメラは足し算、写真は引き算

 「カメラは足し算、写真は引き算」といわれます。これは、写真をうまく撮るための基本を示す言葉です。
 「カメラは足し算」とは、レンズやストロボ等の付属品も含めたカメラの機能。足せば足すほど、さまざまな状況の変化に対応でき、思い通りの撮影が可能になります。「写真は引き算」とは、シャッターを切る際、不要なものがフレームに入らないようにすること。余計なものを引いたぶん、残った〝本当に写したいもの〟が際立つのです。
 足し算とは「事前の準備」にあたり、引き算とは「実践の現場」にあたるといえるでしょう。事に臨んでは、十分に準備を重ね、実際の行動では、その準備の中から、必要なものを適切に選択することが大切になるのです。  

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2017年01月22日

北海道の桜が先に開花

 大寒を過ぎ、冬本番の低温と雪が続いています。冬の寒さが厳しいほど、桜は、暖かさに敏感になるといわれています。
 それを試す実験があります。2月中旬、鹿児島と北海道の桜の枝を切り、同じ場所で生育させたところ、北海道の桜が先に開花しました。北の厳しい寒さで「よく目覚めているのです。そのため、同じ温度に反応しても早く咲くのです」と、植物学者の田中修氏が述べています(『植物はすごい 七不思議篇』中央公論新社刊)  

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2017年01月21日

樽作り名人

 樽作り名人の小松崎與四郎氏。 ウイスキー製造に欠かせない洋樽。洋樽は何枚もの板を合わせ、鉄の輪をかけて固定するが、何度か再利用すると、木の収縮により〝狂い〟が生じる。だが、この名人の樽は何十年使ってもガタがこなかったそうです。
 なぜ狂わないのか――秘訣を聞いた評論家の草柳大蔵氏に、小松崎氏は意外な言葉を返しました。「〝名人芸〟よりも仕事の堅いこと、精神の堅いことが必要」「親方とか上に立つものは、身体で堅いところを示さないといけない。隙をみせたら、工場の中はそこから崩れてゆく」(『現代の名人』現代人社)と。  

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2017年01月20日

勇気が湧くものです

 時の大女優・池内淳子さんが、まだ駆け出しの倉本聰さんに言ったそうです。「四十になったらメロドラマやるンだ。そン時脚本書いてくれる?」。倉本さんは緊張して答えた。「ハイ、カ、書きます。書かせて下さい」と。
 “そン時”まで、あと10年。当時の倉本さんは、この世界でやっていけるか、自信がなかったそうです。だが、とにかく必死に生き延びようと思ったという(『さらば、テレビジョン』冬樹社)。“自分の将来を信じている人がいる”と思うと、その期待に応えようと勇気が湧くものです。  

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2017年01月19日

ぼくってなに?

 宿題、お手伝い、掃除……やりたくないことだらけで、ゲンナリしていた男の子がいました。ある日、自分のニセモノを作って、全部やってもらおうと、ロボットを買ってきました。ロボットが自分のニセモノだと人にばれないように、ちゃんと自分のことをロボットに説明しなくてはいけない。さて、何から教えたらいいか……(ヨシタケシンスケ作『ぼくのニセモノをつくるには』ブロンズ新社)。
 「ぼくってなに?」「じぶんらしさとはなんだろう…?」と、〝簡単で難しい〟問題を考えさせてくれる話です。  

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2017年01月18日

牧口初代会長先生

 創価学会の牧口初代会長先生の出身校・新潟の荒浜尋常小学校が、創立50周年の記念に、「東京荒浜協会」から校旗の寄贈を受けました。93年前(1924年)の1月のことです。
 同協会の会長だった牧口先生の筆による寄贈文が残っています。「思い出すのは母校の恩恵の洪大なる事で在ります」との真情がつづられていました。
 前年9月に起こった関東大震災から4カ月余。混乱の中にある首都から遠く故郷を、同窓を、教師を思いやる創価教育の父の姿がしのばれます。「最も痛切に感ずるのは教育第一ということ」との言葉も印象的です。  

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2017年01月17日

おむすびの日

 母が娘に語りました。「おむすびが、どうしておいしいのだか、知っていますか。あれはね、人間の指で握りしめて作るからですよ」。太宰治の『斜陽』の一シーンです。
 きょう1月17日は「おむすびの日」です。22年前の阪神・淡路大震災では、炊き出しボランティアのおむすびに、多くの被災者が救われ、励まされました。この善意の心を留めようと、記念日になったそうです。  

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2017年01月16日

一度も挫折したことない

 「世界一になるには 世界一練習しないとダメだ」「今はヘタだけれど ガンバッて必ず世界一になる」。小学校の卒業文集にこうつづったのは、サッカー日本代表の本田圭佑選手です。
 18年たった今、彼は、欧州王者7度を誇る世界屈指の強豪チーム「ACミラン」にいます。背番号は、歴代の名手が背負ってきたエースナンバーの「10番」だ。
 彼は「一度も挫折したことない」と言う(「SAMURAI SOCCER KING」2012年10月号)。だが実際には、膝のけがで長期間、戦線を離脱する挫折がありました。けがを機に、「希望に満ちあふれながら」プレースタイルの改良に取り組み、攻撃力を格段に向上させた。だから「自分はけがする前の自分より成長した」と。  

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2017年01月15日

フラガール

 映画「フラガール」は、福島の炭鉱会社が存亡を懸けて観光業へ転換し、炭鉱員の子女がフラダンサーとして舞台を踏むまでの実話を基にしました。今月、その初舞台から51年になります。
 半世紀の歴史には、経費削減を理由にフラガール廃止が持ち上がった時期もあったそうです。だが、関係者の熱意で存続しました。東日本大震災の後、復興への心意気を示そうと全国を回ったのは彼女たちです。震災当時の社長は各紙の取材に答えました。“あの時、フラガールを無くしていたら、大震災の危機を乗り切れず、つぶれていただろう”と。  

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2017年01月14日

殷周革命とは

 司馬遷の『史記』等に描かれる古代中国の「殷周革命」は“人々の心が合わされば、社会を変える偉大な力となる”ことを物語っています。
 殷の紂王の悪政に抗して立ち上がった周の武王。彼のもとに当初集ったのは800人の諸侯だったが、紂王の70万の軍を破ったとされています。
 武王の最大の勝因は、正義の実現という「大義」に立ったこと。そして、この一点で固く結束し、共に戦う仲間を拡大し続けたことでしょう。最終的には40万もの勢力になったと伝えられています。  

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2017年01月13日

メード・イン・ジャパン

 昨年の3月に北海道新幹線が開業し、九州・鹿児島から北海道まで、ついに新幹線で結ばれました。
 高速鉄道には、機関車が客車をけん引する「動力集中方式」と、各車両がそれぞれ動力を持つ「動力分散方式」の2種類があります。世界で最も歴史の古い新幹線は後者。カーブや勾配での加減速能力に優れ、複雑な地形が多い日本でも安全な高速運転が可能になるそうです。
 誕生から半世紀の新幹線は、品質が確かな「メード・イン・ジャパン」の代名詞でもあります。  

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