2018年03月07日

出発点

 春は別れと出会いの季節ですね。新しい人間関係づくりに踏み出す時ですが、一度会った人の顔と名前を覚えられない、と悩む人は多いようです。そのコツをいろいろと調べましたが、やはり地道な努力しかないようです。何より、相手に興味・関心を持つことが出発点ですね。  

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2018年03月06日

実力と人柄を重視して登用

 今年は仙台藩主・伊達政宗の生誕451年です。幼少期に失明した右目に眼帯をつけ、馬を駆った“独眼竜”の姿を思い浮かべる人も多い事でしよう。
 眼帯が史実かどうかはさておき、政宗公が「人間」を鋭く見抜く“眼”を持っていたことは確かなようです。家格にとらわれず、実力と人柄を重視して登用しました。62万石の雄藩を生んだ根幹も「人材」だったのです。  

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2018年03月05日

ゴリラ

 動物の写真集が売れているそうです。猫や犬などかわいらしいものだけでなく、ゴリラも人気のようです。理由として“威厳のあるたたずまいが「哲学者」の雰囲気を感じさせる”という声もあります。
 霊長類学の研究者で京都大学総長の山極壽一氏は、集団生活をするゴリラのまとめ役を「ボス」とは呼ばず、「リーダー」と呼んで区別する。ニホンザルの場合、トップに立つのは「ボスザル」で、常に自分の力を誇示することで立場を保つ。だが集団同士のけんかになると若いオスが前線に出て、ボスは後ろに控えたままだという。
 一方で、ゴリラの「リーダー」は存在感や振る舞いで周囲に頼られ、メスや子どもたちから「あなたに従っていく」と承認されています。いざ緊迫した局面になると、リーダーが一番前に出てドラミング(胸をたたくしぐさ)を。敵を威嚇し、皆を守るのだそうだ(山極壽一・小菅正夫著『ゴリラは戦わない』中公新書ラクレ)へー知らなかった。  

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2018年03月04日

春告魚

 ニシンは「春告魚」の異名を持ちます。かつて北海道の春はニシン漁で栄え、全国へ向かう北前船は大にぎわいでしたが、近年は激減し、群来も見られませんでした。関係者は資源回復を目指し、稚魚の放流を地道に続けてきたのです。
 豊漁か不漁かは運次第、という面もあることでしょう。だが「それだけではない」と、50年近く漁師として生きてきた人が語っています。「人一倍の努力と研究、そして真剣な祈り。豊漁は、自分がつかみとるものです」と。納得!!  

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2018年03月03日

シナリオ

 黒澤明監督のもと、数々の作品に携わった脚本家の橋本忍氏。映画『七人の侍』の脚本の決定稿を書き始めた日、黒澤監督が氏の元へ。分厚い大学ノートを取り出し、黙ってページをめくり続けたそうです。
 覗き込むと、そこには「歩き方」「わらじの履き方」「声を掛けられた時の振り返り方」など、あらゆる場面における登場人物の立ち居振る舞いが、細部に至るまで書き込まれていました。
 氏によればシナリオを書く際、誰もが大まかなストーリーが整うと、人物設定で手を抜いてしまいがちという。しかし、シナリオの出来栄えを最後に決めるのは「人物の彫り」。「人間は恐ろしいほど数多い共通点を持ちながら、一人一人に特色があって違うのだ。だからドラマが成立する」(『複眼の映像』文春文庫)と。納得!!  

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2018年03月02日

読み聞かせは

 人間の耳は胎生3週間目に発生し始め、6カ月頃に完成するそうです。さらに、死が近づいて昏睡状態になっても、周囲の音は聞こえているといわれています。読み聞かせは、いわば「耳からの読書」だそうです。  

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2018年03月01日

ひな祭り

 「雛祭る 都はづれや 桃の月」(与謝蕪村)。3日は「桃の節句」です。千葉県勝浦市では約3万体のひな人形が飾られるなど、各地で多彩な行事が行われています。
 ひな祭りは、元は貴族階級の文化です。庶民に広がったのは江戸時代といわれます。ただ、わが子の健やかな成長を祈る親の心に古今東西、違いはあるまい。  

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2018年02月28日

龍宮城では

 龍宮城では洗濯物をどこに干していたのでしょう――ある女の子が疑問を口にすると、教室に笑い声が。分厚い眼鏡を掛けた教師が「うん、いい質問だ」と、豊かな発想を褒めました。そして「先生は、龍宮城では汚れ物が出なかったのかもしれないと思うな」と続けたそうです。これは創価学会2代会長の戸田先生が若き日に経営していた、私塾「時習学館」での一こまです。
 ゲーテ研究の大家・山下肇氏はこの時習学館で学んだ一人。「戸田先生は私たちがどんな質問をしても、けっしてバカにせず、真剣に答えてくれました」と、かつての授業を振り返っています(『時習学館と戸田城聖』潮出版社)  

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2018年02月27日

呼吸で酸素を得るには

 脊椎動物が陸上に進出したのは約4億年前の事です。その理由は今日も研究の途上ですが、呼吸で酸素を得るには、水中よりも大気中が、はるかに有利なことは確かです。
 水が含む酸素の最大量は、同じ体積の空気に比べて約30分の1しかないそうです。しかも水は大気に比べて重く、魚がえらに新鮮な水を送り込むには、大変な労力を要します(岩堀修明著『図解・内臓の進化』講談社)
 だが半面、魚のえらは限られた酸素を最大限に取り込む機能を発達させました。その能力は陸上動物の肺を上回るという。一方、陸に上がった脊椎動物は、乾燥や重力という新たな“難敵”と戦うことで、進化していったのです。  

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2018年02月26日

やってみなければ分からない

 災害時に備える意味もあって、試しに職場から自宅まで、都内を歩いた人の感想です。全行程は15キロ。3時間半くらいだろうと予想し、地図を片手に意気揚々と出発しました。
 だが、実際はそう簡単にはいかなかったそうです。地図通りに歩いても、道に迷っては引き返すという繰り返し。諦めて幹線道路を歩くと、車の排気ガスで鼻や喉が痛くなる。だらだらとした坂の連続で、やがて足も限界になってしまいそうです。
 一方で、新しい発見もあったそうです。不意に開ける素晴らしい眺望。電車でしか行ったことのない駅同士が、実はそれほど離れていないこと。「点」でしかなかった場所がつながってくる。頭の中の地図が、立体的に立ち上がる。所要時間は予定よりかかったものの、収穫は大きかったそうです。
 万事、やってみなければ分からないことは多い。もちろん、事前にさまざま考えることも大切です。しかし、それで全てが分かるわけではありません。実際に体を動かせば、心も大きく動きだし、新しい出会いや気付きが生まれるのです。  

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2018年02月25日

実力差は紙一重

 球春到来。プロ野球のオープン戦が昨日から始まりました。各チームとも、レギュラー陣の活躍とともに、新戦力の台頭に期待が集まります。
 プロ球団に選ばれた選手たちです。入団当初の実力差は紙一重。では、何によって差が生じるのか。監督時代、名将といわれた解説者の野村克也氏によると、その決め手は「感性」という。感じる力が優れている選手は、相手の動き、試合の流れなど、わずかな変化でも気付き、対応する。修正能力にたけ、同じ失敗を繰り返さない。だから伸びるそうです。
 この「感性」をはかるのに、実は、氏が最も重視したのは「親を大事にしているかどうか」でした。恩人への感謝。それこそが「感じる心の根っこ」であると(『師弟』講談社、共著) 納得!!  

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2018年02月24日

さまざまな課題

 今、米国など先進国はさまざまな課題に直面しています。貧富の差、社会の分断や排外主義の拡大。少子高齢化による未来への不安……。もちろん、制度や法律の整備など対策を講じていくことは必要です。その上で大切なのは、根本となる「哲学」「智慧」を、私たち一人一人が培うことでしょう。
 社会の機構や政治・経済が木の幹や枝であるとすれば、民衆はその根といえます。  

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2018年02月23日

発想の淵源

 吉田松陰。幕末の志士たちに影響を与えた彼には、「草莽崛起」という思想がありました。
 草むら(草莽)のようにどこにでもいる庶民が、決然と立ち上がる(崛起)。「名もない庶民の決起、いまやそれだけしかない」(奈良本辰也・真田幸隆訳編『吉田松陰』角川文庫)との訴えは、高杉晋作の奇兵隊などに受け継がれ、維新の思想的潮流になったのです。
 この発想の淵源は日蓮大聖人にあると、松陰は述べています。「思いついた理由は、日蓮は鎌倉幕府の威勢が盛んなときに、よくその教えを天下に広めたが、幕府の執権北条時頼はその権力をもってしても、日蓮を制することができなかった、というところにある」「苦労に苦労を重ねながら事を行なうのは、大いに尊敬すべきことである。肝心なのはここである」(同)と。  

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2018年02月22日

うさぎの「ミッフィー」

 昨年、89歳で亡くなったオランダの絵本作家ディック・ブルーナさん。彼は、うさぎの「ミッフィー」シリーズをはじめ、多くの作品を残しました。
 ブルーナさんが描いた絵本の登場人物は、いつも正面を向いています。でも、体が横を向いても顔は真正面のまま。その理由を「うれしいときにも悲しいときにも目をそらすことなく、読者の子どもたちと正直に対峙していたいという気持ちのあらわれ」と語っています。全ての子どもに「平等に幸福が訪れますように」と創作を続けたという(『ミッフィーからの贈り物』講談社文庫)
 ディック・ブルーナさんが10代の時、ナチス・ドイツがオランダに侵攻しました。疎開先で過ごしていた冬の日、幾人かのユダヤ人が冷たい湖を泳いで逃げる場面を見かけ、憤りと悲しみが込み上げました。少年時代の体験から「戦争はあってはならない」と。子どもの幸せを真っすぐに見つめるまなざしの奥には、平和を願う信念があったのでしょう。  

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2018年02月21日

カーテンの色を白にすること

 ドイツのある住宅地で、住人たちが決め事を作ったそうです。それは、ベランダに花を植えることと、カーテンの色を白にすること。理由は「通行人が気持ちよく町を歩けるように」であるそうです。生活経済学者の暉峻淑子氏が、インタビューで語っていました。
 『豊かさとは何か』等を著し、豊かさの意味を問い続ける氏は、インタビューで、人に尽くすことを喜びとする感情は、本来、誰にでもあるものであり、「豊かさ」は、他者や社会とのつながりの中で見いだされる、と言う。ゆえに「地域に行動の拠点を持つこと」が大切、と語っています。  

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2018年02月20日

海賊とよばれた男

 小説「海賊とよばれた男」を知って見えますか。主人公のモデルは、出光興産の創業者・出光佐三氏。「人間尊重」という経営哲学も注目を集めています。
 石油を扱うことが禁じられた戦後、氏が最初に本格的に手掛けた仕事は、畑違いのラジオの修理。「世間からはいわゆる『ラジオ屋』として見られる」と、本業ができないもどかしさを吐露しています。だが同時に「これだけでも良い修業」と前向きに捉えました。そして、生活必需品の修繕は「新日本建設に偉大なる貢献をなす」と心に決めたのです。(『人間尊重五十年』春秋社)  

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2018年02月19日

高齢者の定義

 問題です。漫画「サザエさん」の父・磯野波平は何歳か?――正解は54歳。意外に若いですね。ただ連載が開始された1946年(昭和21年)ごろの男性平均寿命が50・06歳だったことを考えると、波平も“高齢者”として描かれたことが分かる事でしょう。
 現在、高齢者の定義は65歳以上。だが昨年1月、75歳以上に見直すよう日本老年学会が提言しました(65~74歳は準高齢者)。体力・生活機能などを科学的に検証した結果、以前より「若返り」が認められたという事です。  

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2018年02月18日

画竜点睛

 「画竜点睛」といえば、物事を立派に完成させる最後の仕上げ、を意味します。昔、中国の名画家が竜の絵を描いた際、「飛び去らないように」と、瞳を入れなかった。その話を信じない人々の求めに応じて瞳を加えたところ、たちまち竜は天に昇った――との伝説に由来するそうです。  

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2018年02月17日

生涯一書生

 作家・吉川英治氏の信条は「生涯一書生」でした。世間が「大家」ともてはやそうと、謙虚さを失わなかった。さらに氏は言っています。「一生一書生である者には、『疲れ』とか『倦む』とかいったことはない。およそ、そうした類の言葉には絶縁である」と。(『吉川英治全集52』講談社)
 完結した生涯最後の作品は『私本太平記』。この新聞小説の連載開始の前年まで、週刊誌上で7年にわたり『新・平家物語』の筆を執り続けています。大衆の心に響くものを求め、最後まで書き続けた生涯でした。  

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2018年02月16日

合格

 スーパーで、真剣な表情でお菓子を選ぶ女性がいました。そこは「合格」「勝つ」などの言葉が入ったお菓子が並ぶ特設コーナーでした。何だって利用して、弱気の虫を追い出したい――入試本番のこの時期、同じ思いの人は多い事でしょう。  

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