2018年02月22日

うさぎの「ミッフィー」

 昨年、89歳で亡くなったオランダの絵本作家ディック・ブルーナさん。彼は、うさぎの「ミッフィー」シリーズをはじめ、多くの作品を残しました。
 ブルーナさんが描いた絵本の登場人物は、いつも正面を向いています。でも、体が横を向いても顔は真正面のまま。その理由を「うれしいときにも悲しいときにも目をそらすことなく、読者の子どもたちと正直に対峙していたいという気持ちのあらわれ」と語っています。全ての子どもに「平等に幸福が訪れますように」と創作を続けたという(『ミッフィーからの贈り物』講談社文庫)
 ディック・ブルーナさんが10代の時、ナチス・ドイツがオランダに侵攻しました。疎開先で過ごしていた冬の日、幾人かのユダヤ人が冷たい湖を泳いで逃げる場面を見かけ、憤りと悲しみが込み上げました。少年時代の体験から「戦争はあってはならない」と。子どもの幸せを真っすぐに見つめるまなざしの奥には、平和を願う信念があったのでしょう。

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