2018年02月17日

生涯一書生

 作家・吉川英治氏の信条は「生涯一書生」でした。世間が「大家」ともてはやそうと、謙虚さを失わなかった。さらに氏は言っています。「一生一書生である者には、『疲れ』とか『倦む』とかいったことはない。およそ、そうした類の言葉には絶縁である」と。(『吉川英治全集52』講談社)
 完結した生涯最後の作品は『私本太平記』。この新聞小説の連載開始の前年まで、週刊誌上で7年にわたり『新・平家物語』の筆を執り続けています。大衆の心に響くものを求め、最後まで書き続けた生涯でした。

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