2014年04月13日

投函されなかった手紙

 腹が立つ。言わずにはいられない。そんなとき作家のマーク・トウェインは、手紙を書いたそうです。手紙に洗いざらい憤まんをぶちまける。それを暖炉の上に置く。3日たってから読み返し、投函すべきかどうかを判断したそうです。結果として、手紙はほとんど、火の中に投じられることになったといわれています。
詩人・高村光太郎の選集に「出さずにしまった手紙の一束」と題する文章が収められています。これは光太郎のパリ滞在中の書簡です。投函されなかっただけに、そこには父への反抗心、青春の不安と本音などが赤裸々につづられています。
二人の人物の投函されなかった手紙、ここから学べることがあります。まず、手紙を書く行為には、怒りや不安を鎮める効果があるということ。そして口にはしないけれど、当然ながら、人はいろいろな思いを抱えているということ。相手の“沈黙の声”にも真摯に耳を傾けたいものです。  

Posted by mc1460 at 10:55Comments(0)TrackBack(0)つぶやき