2013年11月23日

「時」に耐える

 長い眠りから覚めた埋もれ木は、漆器などに生まれ変わります。職人の手で新たな命を吹き込まれ、再び深い気品を保ちながら、趣のある輝きを放つのです。
 仙台市の埋もれ木細工職人の話。埋もれ木を使った作品は、刃物で削り、つや出しに漆を塗るが、その直前の「研ぎ」という磨き作業に作り手の腕が問われるらしい。人の目ならごまかせる程の磨き残しも、漆を塗れば、粗は歴然とわかってしまうという。
 職人いわく、「手抜きを糊塗する技術を考慮した製造方法では、本物のもの作りの精神に磨きがかからない」。本物を作るうえで、寸分でもごまかしがあれば、「時」に耐えることはできないそうです。  

Posted by mc1460 at 11:37Comments(0)TrackBack(0)つぶやき