2013年11月06日

グラミン銀行

 2006年。バングラデシュの経済学者、ムハマド・ユヌス氏と、氏が設立したグラミン銀行に、ノーベル平和賞が贈られました。
 当初、同銀行は専門家のほとんどが破綻すると断言していました。理由の一つは、貧困層の女性への融資は前代未聞だと。返済が滞るに決まっている、との声が相次いでいましだ。これらは、彼らの言う銀行の常識から逸脱していたからです。
  しかし、氏は自ら村へ足を運び、どのような仕事が始められるかを、一人一人と相談して決めていった。女性たちは、自分を信頼して融資してくれたことに涙し、喜々として働いた(猪熊弘子訳『ムハマド・ユヌス自伝』早川書房刊)。金利は決して低くはないが返済率は90%を超え、グラミンの手法は今、世界中に広がっています。
  地位や立場ではない。同じ人間として心を開き、信頼でつながっていく。その一つ一つの絆は小さいかもしれない。が、その輪が幾重にも広がる時、社会、時代を動かす大きな力となる事を証明しました。  

Posted by mc1460 at 11:36Comments(0)TrackBack(0)つぶやき