2013年09月10日

是非が決まる時代ではなかった

 創価学会の牧口常三郎初代会長と、日本民俗学の泰斗である柳田国男氏が親交を結んでいたことはよく知られています。しかし、二人は後に反戦・平和への立場の相違から、意見を異にしました。
 かたや児童教育をめぐって当時の文部省に睨まれた反骨の一校長・牧口常三郎。かたや貴族院書記官長まで務めたエリート官僚・柳田国男。両者それぞれが背負ったものを考えれば、簡単に行動の是非が決まる時代ではなかったのです。  

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2013年09月09日

小事から変えていく

〝人が変われば、会社は変わる〟経営コンサルタントで実業家の大久保恒夫氏は語っています。氏は、かつて業績不振に陥っていたユニクロ、無印良品等を再建させた立役者です。今、その経営手腕に注目が集まっています。
 企業は、利益を生み出すために存在します。業績の数字に注目するのは当然ですが、氏は数字よりも「小売業の仕事はお客さまに喜んでいただくこと」だと訴えています。
 その基本は、気持ちの良い「あいさつ」だと。現場を支える従業員の誠実な姿と行動で顧客に満足してもらい、喜んでもらう。それが店舗への好感となり、やがて成果もついてくると大久保氏は考え実践しています(『すべては人なんだ』商業界)
 難事業を目の前にすると、全てを変えなければ、と焦り、結局、全てが中途半端になる場合があります。大事を成すには、基本に徹し、身の回りの小事から変えていくこと大久保恒夫氏の実践は、それを教えています。  

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2013年09月08日

そして広島へ

 太平洋戦争末期、原爆をどこに落とすか。事前にアメリカで「標的委員会」が開かれました。18都市から京都、広島、横浜、小倉、新潟に絞られたそうです。第1候補は京都に決定しました。しかし、これに猛反対したのがスティムソン陸軍長官でした。そして広島に決定されたそうです。
 古都の文化的価値も考慮には入れたが、彼には別の思惑がありました。「京都に原爆を投下すれば全世界がアメリ カの行動をヒトラーの暴虐と同等であると非難するであろう」と。『暗闘――スターリン、トルーマンと日本降伏』(中公文庫)に詳しい
 著者の長谷川毅氏はワシントン大学で博士号を取得し、米国市民権を持っていますが、「他の都市に投下することも暴虐行為であることには思い及ばなかった」と手厳しく述べています。  

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2013年09月07日

創発性

 ケーキは小麦粉、卵、バター、生クリーム等を使用して出来上がります。だが、それぞれの材料の味とは異なります。ケーキのおいしさは、個々の材料の味の合計を超えたものです。この例のように、部分が相互に作用し合って全体が獲得する新しい特質を「創発性」というそうです。
 社会に形成される人間同士のネットワークも、創発性の一例です。それは、個々人の力の総和を超えたものである。政治学者のジェイムズ・H・ファウラーは、社会的ネットワークが拡大し、持続するために重要なのは、「利他主義と善良さ」と強調しています(『つながり』講談社)  

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2013年09月06日

先人の足跡

 「紀元前1050年にまで遡って、先祖の名前を、全て言うことができます」。そう語るのは、アジア屈指の経済学者で、シンガポール・南洋理工大学のリム・チョンヤー博士です。
 リム博士の先祖は、中国古代、殷王朝の紂王の時代の忠臣・比干とされています。比干は、一命を賭して、紂王の暴政を諫めたために、無残にも殺されてしまいました。しかし、比干の子孫は生き延びて、以来、約3000年間、家系が続いているという事です。
 約3000年間。といえば相当な先祖の数になると思われますが、リム博士は「先祖の一人一人の名前を続けて読むと、一つの詩のようになっていますから覚えやすいのです」と笑顔で答えたそうです。ユニークな中にも、先人の足跡を断じて忘れぬ深き執念を感じるのは私一人でしょうか。  

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2013年09月05日

生活のリズム

 スケジュールには日、週、月などの単位がありますが、“生活のリズム”を考える際は、「1週間」を基準にするのがよいといわれています。うつ病や睡眠障害が専門の西多昌規医師は“「1週間」は「1日」「1カ月」よりリズムに乗りやすく、「頭の中」でイメージしやすい”と考察し、「週単位」で考えることを提唱しています(『水曜日に「疲れた」とつぶやかない50の方法』朝日新書)もちろん、「1週間」が該当しない場合もあります。
 厚生労働省の調査によると、労働者の約2割が深夜業務に携わっています。西多医師は、「夜勤明けはサングラスをかけて家路に就く」など、交代制勤務の人々にも具体的な助言を送っています。朝の強い日光を避けることが、午前中の心地よい仮眠を助けるからだそうです。  

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2013年09月04日

最善の選択

 「牛乳ビンと紙パック、どちらの容器が環境に優しいか」。洗えば何度でも利用できるから、答えは「ビン」と思っている人が多いことでしょう。
 「琵琶湖博物館」(滋賀県草津市)の“環境コーナー”に、トラックの模型が展示されています。荷台に牛乳ビンを載せた数十台のトラックが並んでいます。一方、紙パックを積んだトラックは、わずか1台でした。
 これは、同じ量の牛乳を運ぶにも、紙パックはトラック1台で済むのですが、重たいビンは数十台のトラックが必要になることを表しています。数十台分のガソリン、ビンの洗浄に必要な水の増加分などを考えると、「紙パックよりもビンを」とは即断できなくなる事でしょう。
 物事は単純に計れません。情報を広く集め、柔軟な発想と想像力 を大切にして、最善の選択を求める姿勢が必要です。  

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2013年09月03日

人の心を動かす

 何か問題があった時、クレーム(苦情、文句)を言う人は10人中1人といわれます。その他の顧客の多くは会社に不満や疑問があっても、なかなか口にはしません。では、 なぜクレームを付けるのか。それは「会社に期待しているから」と、教育総合コンサルタントの古谷治子さんは語っています。
 苦情を言う1割の顧客は、〝物言わぬクレーマー〟の代弁者でもあるそうです。会社にとっても、クレームはマイナスばかりではない。むしろ、「自分たちが把握できない問題点や今後のビジネスヒントを教えてくれる」チャンスである(『速習クレーム対応』日本実業出版社)
 ある会社の優良顧客の6割は、ファンになったきっかけとして、同社の真摯なクレーム対応を挙げていました。成長する人や団体は、素直に人の意見を聞こうとします。誠実で迅速な行動が、人の心を動かすのです。  

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2013年09月02日

人間としての真価

 「困難な何ごとかを克服するたびごとに私はいつも幸福を感じました」(片山敏彦訳)とベートーベンは言っています。聴力を失ってなお、創造の炎を燃やし た楽聖の言葉は重いですね。苦難を経ない栄光などない。それは誰の人生にも訪れる。直面した時、どう乗り越えるか。ここに人間としての真価が問われます。  

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2013年09月01日

金を残すは下、仕事を残すは中、人を残すは上

 1923年(大正12年)9月1日の関東大震災によって、東京は焦土と化しました。首都をよみがえらせるため、帝都復興院総裁の後藤新平が、まず、着手したのは道路を敷くことでした。その大胆な区画整理を伴う復興計画は、地権者の猛反発、財政難という壁の前に大幅な規模縮小を余儀なくされました。だが、環状道路などにその名残を留めるように、現在の東京の都市骨格を築いたのです。
 後藤の先見は都市計画だけではありませんでした。未来への道を開くために最も必要なのは「人材」との信念を貫いた事です。実力と情熱ある人材を登用しては、飛躍の機会を惜しみなく与えました。後藤新平が、台湾総督府民政長官の時代、破格の処遇で新渡戸稲造を引き抜いたことは有名な話です。少年団(ボーイスカウト)総長も務めた彼は、晩年、こう語りました。「金を残すは下、仕事を残すは中、人を残すは上」と。  

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