2013年01月10日

「2」という数字

 「クモの糸にぶら下がる」――芥川龍之介の小説を彷彿させる難題に、実際に挑戦した人がいます。奈良県立医科大学の大崎茂芳教授です。教授は試行錯誤の末、人間がぶら下がるのに必要な量のクモの糸を採取しました。そして7年前、長年の夢を実現させたのです。
 その過程で様々な発見がありました。例えば1本に見える糸ですが、実は2本の繊維でできていました。しかも2本のうち1本が切れても、クモが落下することはありません。もう1本は保険というわけです。教授はクモが4億年の進化の中で得た安全の基数が「2」であることに教授は感銘を受けたという(『クモの糸の秘密』岩波書店)
 「2」という数字は我々が日常の無事故を目指す上でも重要です。一人より二人での点検。ドアの鍵を二重にする。「2」は確実に安全性を高めます。

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