2013年01月11日

わが子の個性を認め、成長を信じて見守る

 青森県出身の画家・鷹山宇一氏(故人)は、独創的な作品もさることながら、豊かな人間性も注目を集めました。娘のひばりさん(青森県立美術館長)の父親・鷹山宇一氏のエピソードです。
 小学生の時、ひばりさんは本が好きで、学校には行かず読書三昧だったそうです。たまに学校に行くと、決まってテストの日にぶつかりました。当然のごとく、ひばりさんは勉強していないから点数は悪く、母親に叱られました。ところが父親の鷹山氏は「大したものだ。何もしてなくても30点も取れるのか」「勉強する時間があれば本を読んでいればいい」と認めてくれたそうです。 学生時代、ひばりさんは奇抜な髪形を大学にとがめられ、処分の対象になりました。学校に呼び出された鷹山氏は学長に訴えました。“人間は姿形ではなく、自分の力を信じて社会貢献する人生こそ尊いということを、娘に教えてほしい”と。土下座せんばかりに頭を下げた父を見て、ひばりさんは、いつかこの父のために生きる人生をみつける、と心に誓ったそうです。
 どこまでも、わが子の個性を認め、成長を信じて見守る、父親・鷹山宇一氏。言うは易く行うは難しですが、親が子どもに寄り添い、一緒に成長しようと努力する時、親子関係はより豊かに広がっていくことでしょう。ひばりさんは後年、父の美術館に携わり、学生時代の誓いを見事に果たしています。

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