2013年01月09日

真理を求め続けたガリレイ

 天文学の父ガリレオ・ガリレイが、1609年に望遠鏡で天体観測を行ってから今年で404年になります。今では考えられませんが、ローマ教皇庁から地動説を異端審問されながらも、真理を求め続けたガリレイ。その戦いの生涯を、ドイツの文豪ブレヒトが1938年に戯曲に描きました。
 当時はナチス政権下。当局により文豪の著作は刊行禁止となり、焚書の対象とされました。それでも彼は、権力の横暴にペンで立ち向かいました。ブレヒトは自らの信念を作中のガリレイに語らせています。「もし私が沈黙するとしたら、それは疑いもなく全く下等な理由からだ。いい生活を送り、迫害されないため」(岩淵達治訳『ガリレイの生涯』岩波文庫)。“迫害が何だ! 正しいことは、正しいと叫ぼうではないか”――悪に対する傍観や諦めが蔓延する時代にあって、文豪は正義の言論で敢然と人々を鼓舞し続けています。

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