2013年01月08日
基本とは誠実
幕末の蘭学者としても知られる三河国田原藩の家老・渡辺崋山は、人と交渉する際に心掛けるべき教訓として「八勿の訓」を掲げました。“感情に流され、平常心を失ってはならない”“表情は冷静に、心は温かく”など全8条のうち、最後に彼が綴った一文は、“基本が確立していれば、あとは皆がそれに従う。その基本とは誠実である”というものでした。
昨今、「交渉術」を説く本が多く発行されています。“日本人は交渉下手”とか“国際社会で発言力を高めよ”等の意見も耳にします。が、要はテクニックではないと思います。
カンボジアや旧ユーゴで紛争調停を指揮した明石康・元国連事務次長は、こう語っています。「調停者は雄弁である必要はない」「滔々と捲し立てるよりも、まずはグッド・リスナーであるべきだ」(『「独裁者」との交渉術』集英社新書)。しかも、これは調停のプロたちに共通の意見なのです。よい聞き手であれ!――これも「誠実」と一脈通じる話です。
昨今、「交渉術」を説く本が多く発行されています。“日本人は交渉下手”とか“国際社会で発言力を高めよ”等の意見も耳にします。が、要はテクニックではないと思います。
カンボジアや旧ユーゴで紛争調停を指揮した明石康・元国連事務次長は、こう語っています。「調停者は雄弁である必要はない」「滔々と捲し立てるよりも、まずはグッド・リスナーであるべきだ」(『「独裁者」との交渉術』集英社新書)。しかも、これは調停のプロたちに共通の意見なのです。よい聞き手であれ!――これも「誠実」と一脈通じる話です。
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